「剣城、今日の練習前も個人練習も面倒見てくれてありがとうな!」
「いや、俺もシュート打つの練習になるし大丈夫」
遅くまで続いた二人の練習の後付け。散らばったボールを一つ一つ拾い上げ、かごに投げ入れていく。
剣城が拾おうと手を伸ばしたあと一つ落ちているボール。井吹も同時にそれに手を伸ばした。
「あっ……」
少し触れる手と手。引っ込めたのは剣城の方だった。グローブをはめた大きい井吹の手がそのボールを拾い上げる。
「剣城……」
「井吹、」
視線が絡む。少し背の高い井吹を見上げる形となる剣城。
「明日も練習よろしくな!」
「ああ! また明日頑張ろう」
そう言って笑い合い片付けを続ける二人。
まだまだ進展はしなそうな二人のお話。
13.07.14