そういえば少し前、第七部隊が“ウロヴォロス”のコアの剥離に成功したという放送が入った事があった

…十中八九、リンドウなのであろう。あの時リンドウが珍しく怪我を負っていた

たまたま訪れた医務室で手当てをしていたのだ

「サクヤには内緒な?」と言われていた気がする

なんだかんだ、あそこはうまくくっついてしまうのではないかと思う。いわゆる夫婦的な感じだ

話が飛んでしまったのだが、その時にコウタがやけに興奮した様子でウロヴォロスについて語っていた気がする

…僕自身、ノルンで調べてみたのだが…

『…なかなかに大きいんだな』

何mくらいあるのだろうか

かなり大きい。これを相手にしたのだから、怪我の一つも負うのだろう

…しかし、あの様子からすると、リンドウは単独でこいつの討伐に向かったということだろうか

『……もう少し、調べてみよう』

なんだか、あまりに無茶な任務な気がする。そもそもリンドウは第一部隊のリーダーなのに、何故“第七部隊”という名のもとで任務を受けたのか。まずはそこが引っ掛かるのだ



――――――――コンコン

不意にノックの音が部屋を包み込む

…一体誰だろう。僕に用事がある人間なんて思い浮かばないのが正直なところだ

『開いてます、どうぞ?』

その声を合図にか、入ってきた人物は俯いていて

「…失礼します」

そこには、どこか不機嫌そうなイリーニチナさん…改めアリサがいた

『…どうぞ、座っていてください。ロシアンティーで大丈夫大丈夫すか?』

客人にいつまでもドアの前で立たせているのもどうかと思いソファーに案内しては飲み物を作ろうとキッチンに立つ

幸い、自分はロシア育ちなのでアリサの好むティーはなんとはなしに思い浮かぶ

「…どうぞ、お気遣いなく」

そう呟く彼女はやはりどこか不機嫌そうだった





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