*ソーマside



ああ、まただ

俺の回りでどんどん人が死んでいく

死んでいく、死んでいく、死んでいく

やっぱり俺は、死神なのか

「お前はどんな覚悟を持って此処に来た」

そう聞いた時、レオは何処か遠い所を見ていた

















『っりゃあ!!』

少し低めの、掠れた声が聞こえる

リンドウ、サクヤが言っていた通り、実力は十二分にもある

それに援護射撃といい、バーストのタイミングといい、ルーキーとは思えない

でも何故だ

戦い方に違和感を感じる

言うなれば、そう

“捨て身”

“肉を切らせて骨を断つ”

まさにこの言葉が合致する戦い

オウガテイルの針に盾を使わない。相手が打ったと同時に神機を振り下ろす

針は身体に刺さり、神機はオウガテイルを裂く

なんて自殺的な戦いだろうか

いくら怪我が治るのが早いと言えど、余りに酷い

全ての敵を排除したあと、ヘリが来るまでには少し時間がかかった

その間、アイツは水で髪を洗っていた(血を流していた、というほうが適切か)

昨日、俺が病室から出たあとツバキに「血でアナグラを汚すな」と怒られたらしい

服まで脱いで洗っている

なんというか、目に毒だ

……は?俺は今何を考えた?目に毒?たかだか男の裸だろう

――白い肌、白銀の髪、滴る赤………赤?!

「…おい!」

『ハイ?』

なんとも不思議そうに見てくるレオ

「傷」

『ああ……平気ですよ』

ヘラヘラと笑う

『あー…でも、雨宮上官に怒られるかもなあ…』

心配するところは、そこなのか

「チッ……これを使え」

ポイと手持ちの包帯を投げつけた

『ありがとうございます、ソーマさん』

「……ソーマでいい、気持ち悪い」

『ソーマくn「やめろ」』

そもそも気に食わない

リンドウは会った当日から“リンドウ”呼びなのに、何故俺は何時までたってもさん付けなのか

……違う、何故俺はこんなにもレオに執着してるんだ?

この



死神が



『んぐぐ……』

レオのくぐもった声に、ハッと我に帰る

「……何してんだ」

『ほうはひほ…』

目の前には、ミイラ男の様になったレオ

………馬鹿だ、コイツは

「ハァ……」

勢いよく包帯を剥ぎ取って巻き直してやった

「…軍人時代、こんなんでどうやって治療やら何やらしてたんだ?」

『……隊長がやっていてくれました。居なくなってからは、ずっとほったらかしにしてましたから』

……まずいことを聞いたか

話し始めた途端、目から光が消えた。いや、元々あまり生き生きした目ではなかったが

タイミングを計らったようにヘリが到着した

『さて、いきましょうか……ソーマ』

その時のレオは何処か儚げな表情で微笑んでいた、気がした



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