『――――ッ!!………ハア…ハァ……ゆ、め…?』
そう
あまりにもリアルな夢
しかし、夢の中の僕は色々な表情をしていた
寝起きは最悪
びっちょりとかいた汗、冷汗
『……シャワー…浴びた…い』
シャワーを出て、服を羽織る
髪は少し湿っているが、関係ない
早く、早く、早く……!!
忘れたい。忘れるために
『……任務』
足速にエントランスへ向かう
『おはようございます、ヒバリさん』
受付嬢……オペレーターであるヒバリさんへと話し掛ける。元気で気さくな、とても明るい子
「あ、おはようございますレオさん!……って顔色、悪いですけど大丈夫ですか?」
『え、ああ……ちょっと変な夢を見てしまって…全然平気ですから、ご心配なく。ありがとうございます…ところで、今日の任務は?』
平気じゃない。早く、早く、早く…早くアラガミを切りたい、伐りたい、斬りたい。……殺シ…タイ…!
「えっと…今日はコクーンメイデン2体の討伐をお願いします!…ちなみに今日は、サクヤさんと出てもらいます」
今日も誰かと任務に出るのか……まあ、ゴッドイーターとして2日目の新人を一人で出すはずもないのだが
…というか、“サクヤさん”ってもしかして昨日リンドウが話していた時に来たあの黒髪ショートの女性、だろうか
「サクヤさんってすっごく綺麗な女性なんですよー!もう皆の憧れっていうか…」
「そんなにおだてたって、何にも出ないわよ?」
ヒバリさんがイキイキと話している時、スッと現れた女性
「あ、サクヤさんおはようございます!」
『おはようございます』
「おはよう、二人とも……って、貴方は……あ!昨日リンドウと任務に行ってた新人さん……レオ君、よね?」
『え、ああ、はい……えっと…』
確かに、綺麗な女性だ
「ああ、私はサクヤ、橘サクヤよ?これからよろしくね、一樹レオ君」
『はい、よろしくお願いします』
飛び切りの笑顔で挨拶する
……それにしても何故名前を…?
「不思議そうね……フフっ…昨日の夜、リンドウから聞いたのよ。凄い新人だって…褒めちぎってたわよ?」
『……そんな、恐縮ですよ』
「まあまあ、そんな謙遜しないの!……で、今日の任務は私と一緒なのよね?任務なんだったかしら?」
「本日は、嘆きの平原でコクーンメイデン2体を討伐してもらいます……お気を付けて」
コクーンメイデン……こいつもヘリが墜落した時に見た化け物だ
確か、地面から生えてた化け物、もといアラガミ
「……それじゃあ、行くわよ?」
『よろしくお願いします、橘さん』
「慣れないわね…サクヤでいいわ」
『――では、サクヤさんと呼ばせていただきますね』
「…リンドウが言ってた通りね」
『…?』
「ほら、行くわよ?」
『……はい』
クスクスと笑われた
一体リンドウはなんて言ったのか…
後で問い詰める価値はあるかもしれない
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