*リンドウside
今日は期待の新人、レオとの初陣
よく笑う奴なんだが、それでいて喜怒哀楽がないというかなんというか……
なんかがたらねぇような、完璧な奴だ
ついさっきも板に付いたような笑顔だったんだが……
「こいつぁ期待もされる訳だ……」
なにより並外れた運動神経…それにしなやかでバランスのとれた筋肉、そして力…
神機……アサルトや盾がついて重いであろうナイフを意ともたやすく、フェンシングの様に片手で美しく振るう
それは昔居た踊り子のようで
タンゴの激しさ、ベリーの艶やかさ、ソシアルの繊細さ……総てを備えていた
あっというまにターゲットであるオウガテイルを討伐した
「おつかれさん」
ぽふんと頭に手を乗っければ、ぬちゃりと鉄臭いものが纏わり付く
見やれば真っ白……銀色の長い髪や白い肌、顔はほとんどがアラガミの反り血で赤く染まっていた
「あーあぁ派手に殺りやがって……とっとと帰って風呂入るぞー?」
そう言いながら俺は神機を捕食形態へ変えオウガテイルを貪る
………ってかなんでこいつさっきから一言も喋んねぇんだ…?
「……まさか怪我でも…ッ?!」
肩をガッと掴みこちらを向かせれば何処か熱に浮いた瞳と目が合う
息を飲むような熱にこちらまで浮されそうになる
……って何俺は男に欲情してんだ…いい年したオッサンが恥ずかしい…
「おーい、大丈夫かー?」
『はい、ターゲット消滅を確認しました』
…まるで瞳とは正反対の様に冷徹な声でそう告げられた刹那、電流の様なモノが全身を駆け巡り思わず後へと跳ねる
しかし次の瞬間
『それじゃあ、帰ってお風呂に入りましょうか。反り血でべったべたです』
困った様に笑ったレオを見て、なんだか少し不安を覚えた
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