内緒のお話




汚れのないこの町で
心地良い風が吹くこの丘で
貴方の背中を見つけて駆け出した


こんにちは(大好き先輩)


漏れてしまいそうになる心の声
いっそ言ってしまった方が楽なのかもしれない


振り向いて私だとわかったらニッコリと笑って「こんにちは」と返してくれた
赤い綺麗な瞳に私が映っていると思うと、心臓が高鳴る
貴方の瞳のように、顔が赤くなってしまう
でも、まだこれは隠さなきゃ
まだバレるには少し早い


貴方が自分の隣を軽く手を叩いた
好きに解釈して良いかな?

貴方の隣に座ればまた優しく微笑んでもらえた
こんな小さなことで心が満たされていくなんて、なんて単純なんだろう


貴方の口から紡がれる言葉一つ一つが、まるで子守唄のようで酷く安心する
こんなに心を許せるところがあるだろうか

私は貴方に寄りかかってみた
最初は驚いたようにその綺麗な瞳を丸くしていたけど、また柔らかく微笑んで


「どうした?」


優しく尋ねてくれた
ここで貴方が少しでも恥ずかしがってくれたら、少しは期待できたかもしれない

まだ私は貴方にとって後輩の位置なんですね

あぁ、でも今が幸せなら良い気がする
これからも頑張ろう
そう思えるのは貴方の隣にいるせい

鞄の中から先程焼いたクッキーを取り出して貴方に手渡した


「暇だったから(先輩に食べてもらいたくて)作ってみました」


ここでも少し嘘を吐く
まだ言えない、まだ言うときじゃない

貴方が一枚口に含む
こんなに緊張することはなかなか無い
心臓が激しくなっている


「おいしいよ、ありがとう」


嬉しくて嬉しくて
幸せを噛み締めながら貴方に笑ってみせた
貴方ほど暖かくて綺麗な笑い方はできないけれど


ずっとこうしていたいけど、時間は直ぐに過ぎてしまう
私が立ち上がろうとすれば、その暖かい手が私の頭の上にのる

がんばりすぎるなよ、たまには休むんだぞなんて
本当に貴方は優しい

どんどん心臓の音が大きくなる
貴方に聞こえてしまいそうだ


でも、まだ早い
私がいつか貴方の隣にいても充分な人間になるまで
貴方を幸せにできる人間になるまでは

私の全ての心は内緒なんだ


私はレッドさんが好きです


いつか、抱き締めてもらえたら嬉しいな、なんて


全部が内緒のお話





赤←水晶みたいな話
草組のほんわりした雰囲気好き赤水晶がないなら作る←

長くなったけどSSと言い張る


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