ここにいますか




ギュッと音がするのではないかと思うように、誰かが後ろから抱きついてきた
後ろからのため見ることは出来ないがグリーンには誰が抱きついてきたかなど容易に予想できた


「どうした、レッド」


名前を呼べば、正解と言ったように顔を埋めてきた
どこか楽しんでいるようにクスリと静かに微笑んでいるのが聞こえる


「何でもないよ、ただグリーンがいたから」


抱きついてみたくなったと言って、その腕の力を強めた
いつの間にか抜かした身長のせいか、レッドのやわらかい髪が首をくすぐる

レッドが甘えてくるのは稀ではない、むしろ常時だ
いや、甘えているに入るのだろうか

レッドは誰かに何かを頼むことがない、迷惑だと思うことは絶対にしない、どこか皆の一歩後ろにいる
その中には、グリーンの名も入っている
例え、それが幼馴染みだろうと、親友だろうと、恋人だろうと
どこか遠慮がちにしているレッドがそこにいた


こういった甘えている、ように見えるレッドの行為は何を意味しているかはグリーンは知らない
本当にただのスキンシップか
それとも


「なぁ、グリーンはここにいる?」


後ろからポツリと呟かれた言葉
どこか弱々しい気もした


「自分で確かめれば良い」


グリーンがそう言ってやれば再び強まる腕の力
苦しいとも思うが文句を言うつもりはサラサラない


「暖かい」


聞き漏らしてしまいそうな小さな声で呟いたレッドの体温が背中から伝わってくる
それに自然と口元が緩むのがわかった



こいつはちゃんと『ここ』にいる





少しフラグを立たせようとして失敗したもの
今脳内で考えられつつある長編の感じです
学パロでも良いんですが、どうしましょう
レッドさんのキャラは未だに掴めない不思議な奴です


prev next
- ナノ -