眠り姫みたいな君




目が覚めて、まず始めに入ってきたのが黒い艶やかな髪だった
それから俺の腕の中にある温もりと、整った呼吸

珍しい、レッドがまだ起きてないなんて

いつも低血圧だと言われる俺を起こすのはレッドだ
こいつは毎朝早いから素直に尊敬する
だけど、そんなレッドがたまに俺より遅くまで寝ているときがある
例えば、今日みたいな

昨日は……やり過ぎたかもしれない。起きたら謝っておこう
今日はたぶん動けないだろうな、うん、存分に我儘言わせよう
我儘を言うかはわからないが
きっと「バトルしろ!」くらいだろう
本当に欲がないというか、我儘が嫌いというか、素直にねだればいいのに

そんなことを寝惚けた頭の隅で思った
レッドの寝顔を見るのは久しぶりだ(いつも俺より早く起きているから)
質の良い黒髪は指でといてやればサラリと指から溢れていった
いつも綺麗に光ってる赤い瞳は長い睫毛と瞼で隠れている
シーツから覗く白い肌には自分が付けた赤い所有印がついていて独占欲が満たされた気がする
肩に触れればこれも健康的で質が良い肌
本当に、上質な美しい宝でも持っているような錯覚さえもする

俺も、顔が整っている方(らしい:幼馴染みの女談)
だが、こっちからすればレッドもそう言えるだろう
たぶん、俺とは違うタイプだが
なんの跡もないきめ細かな肌に大きく汚れのない赤い瞳、それらにも負けないほど映える漆黒の髪
女顔というのはレッドは嫌がるが、本当に綺麗だと思う

「んっ……」

あっ、起きたか?

「ん……ぐり……ん」

そう呟いて擦り寄ってきた

……、本当に、何でこいつはこんなに可愛いんだ

レッド

と、耳元で呟いてみればその眠っている口元が綻んだ気がする
あぁ、本当に好きだな……こいつのこと

腕の力を少し強めて抱き締めた
そのまま再び瞼を閉じた
何か良い夢でも見れる気がした

きっと、また起こしてくれるのは腕の中で眠る眠り姫なんだろうな




緑先輩が赤先輩好きすぎてキモイ←
起きた後やっぱり動けない赤先輩の世話に励むんだろうなぁ、因みに寝てる姿は二人とも上半身ははだk((
赤先輩の我儘はやっぱり「バトルして」だったりする、赤先輩にとっては限界なまでの我儘
それだけ誰かにお願いするのが苦手な自己解決君


prev next
- ナノ -