辞典



私は恋をした、らしい。らしいと言うのも、その相手が同じクラスの女の子なのだ。その子は群を抜いて可愛い子。容姿はもちろん、誰に対しても優しくて、その子を嫌う人なんて誰一人いない、そんな完璧な子。最初は憧れだった。だけど、どんどんその子を目で追って行ってたら、なんだか違う感情が沸いてきて、誰かとは伏せて色んな人に相談したら、それは恋だとみんな口を揃えて言った。だけど、同性。だから、疑った。きっと、これは恋じゃない。だったら、この感情は何だろうって、分厚い辞典を広げて探してみる。でも、調べても私が納得する答えは出てこなかった。

ああ、これはきっと、言葉に形容されなかった、出来なかった、可哀相な、感情なんだな。


「放課後どっか遊びに行かない?」
「あっ、いいねーどこ行く?」

「カラオケなんか、どう?」
「いいよ、放課後デートいぇーい」


その子といれば、どんな未来もずっと輝いているような、そんな、そんな気がする。




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