双子兄弟(2014)
「ねえねえ、ゆうたゆうた」
「あ？ って、酒くさ！ なに、お前酒飲んだの？」
「酔っぱらってねえよボケが！」
「うわっ、酔っぱらってる！」
「酔っぱらってねえって言ってんだろ！」
「しかも絡み酒だ！」
「ううう、ゆうたぁ」
「な、なんだよ……」
「悠太はおれのこと何番めにすき？」
「えっ、えええ……」
「ちなみにおれの中でおまえは十三番めだ」
「低い！！」
「えっと、一番がおれで、二番が同着で母さんと父さんだろ。四番めがあんぱんで……」
「俺、あんぱんに負けたのか」
「おまえがあんぱんに勝てるとでもおもってるのか！」
「絡み酒やだもう……」
「で、おまえの中でおれは何番めだ？ もちろん一番だよな」
「なにその自信！」
「な、な！ おにいちゃん大すきだよなっ！」
「鬱陶しい」
「……おまえ、おにいちゃんのこときらいなのか」
「うわ、泣いてるし」
「おにいちゃんこんなにも悠太のことすきなのに……」
「え、」
「悠太ひどい。おまえなんかドナドナの刑にしてくれる」
「なんだよそれ。ほら、泣くなって」
「……ゆうた、おにいちゃんが一番？」
「それ、言わないと駄目？」
「だめ」
「えええ。……う、うーん」
「早く」
「急かすなよ。……よし、言うぞ」
「ばっちこい」
「……お、お兄ちゃんが一番好き」
「…………」
「……おい、なんか言えよ」
「……ぶはっ」
「え、なに笑って……。って、おい！ お前まさか！」
「お兄ちゃんが一番好きだって！ 俺も愛してるよ、馬鹿で可愛い弟を！」
「酔ってんじゃなかったのかよ！」
「俺があんなので酔うわけないだろ」
「く、くそ！ たばかったな！」