無情
違うの、聞いて。
わたし死にたいとか思ってないし考えてもいないよ。だって生きてるんだよ。自分から命絶とうとした人が周りにいたから私はその中でも生き抜いてやろうとか思ってるんだよ。生きている間に死ぬことなんて考えちゃやっぱダメなんだなって思ってるの。だって生かされてるんだし。首吊ったり飛び降りたりして命を殺しちゃいけないと思ってる。私はスケールの大きい事を考えるの。血肉を造り上げてくれたら幾千もの命を考えるの。そうして自らの死を考えるの。馬鹿馬鹿しく思っちゃうんだよね、そんなの考えてる時の自分が。自殺するなら飢え死にがいい。栄養失調で倒れて死ねたらいい。死ぬならそうして死にたい。そんなことを考える頭がなかった昔はたくさんの死に方について思い更けていたよ。ああして死んだらどうだろう。でもどうせ死ぬならこうしたいかも、なんて。でもね、深く考えれば考えるほど怖くなっていったの。怖いって思ったってことは生きている証で死を拒絶しているじゃないかなって、思った。本当のところ、これっぽっちも分からないけど、そう勘違いした。自分が死んでいい理由を探すのを辞めたの。そう、もう楽に生きようって。苦しいことばっかりだけどそれをどう楽しく過ごすのかが大事だと思った。みんな平等なんかじゃないの。この世は不公平なの。その中で自分がどう考えてどう思って生きていくかでこの世界はたくさんの色や表情を見せてくれるんじゃないかと思うわけ。ごめんなさい。ちょっと頭がおかしいの。なにいきなり世界とか言ってるんだろう馬鹿みたい。いいの。馬鹿くらいがちょうどいいの。私にお似合いなの。吹っ切れてないの受け入れてるの。これでも真面目に生きてるの。でもね、やっぱりね、生きるって面倒くさいの。苦味しかなかったりするの。そんな時は人間辞めたいって思うよ。カボチャになりたいって思うよ。馬鹿にされたよ。勝手に笑っておいて。別に格好付けて生きてるわけじゃないし。死にたいとは考えない。タブーだよ、きっとそれ。わかんない、私はそう思ってる。だから明日が来なきゃいいって思うよ。だって明日も人間なんだもん。人間って大変だよ。だけどカラスになったってきっと大変だよ。みんな生きるのに必死なんだよ。あの鶏肉だって、きっと最後は声をしゃがらせてまで鳴いたに違いない。なりふり構わず逃げ回ったに違いない。最後まで必死に羽をばたつかせて抵抗したに違いない。きっと、そうなんだと思う。本当に死にたかったら手首なんか切らない。真っ先に首を切ってるはずなの、でもしないの。そうゆうことなの。それは私も同じなの。偏見たっぷりだね。嫌いになったでしょう。何が言いたいかって、わたし死にたいなんて思ってないよ。ただ生きるの疲れたってだけ。肩の力を抜くタイミングを見失っただけ。私には死んだら泣いてくれる人がいるから。こんなことで死んでたまるかって思えるよ。クシャミひとつで心配してくれる人がいる。だから私は生きるのが楽しくなるよ。