うそ
僕が嘘を吐いたって君は気付かないけど、君が嘘を吐いたらすぐに分かってしまう。君はそれをズルいと頬を膨らませる。そんなこと言われたって、しょうがないとしか言い様がない。
「ねえ、好きだよ」
「おん、知っとる」
「ねえ、私のこと好き?」
「ん、」
「……ほんとに?」
「…言わんだけや」
前髪を掻き上げて、額に唇を落としてあげる。そうしたら君はすぐに恥ずかしがって、煙ったそうに僕を手で払うが、耳まで真っ赤に染め上げ照れているから、からかい甲斐があると本当に思う。
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