理科準備室



シャーレに浮かんだシミを険しい顔をで見つめ続ける貴方の背中を本当に穴が開くんじゃないかって疑っちゃうくらい私は見つめ続けていた。そうしたらいきなり貴方が振り向いてきて、目が合っちゃって、すっごくドキドキして、何か用って、ヒマなの、つまらないの、だから私に構って、なんて、言えるわけないじゃないって、下手に強がって、ううんって首をふった。そうして繰り返される。私の一方的な片想いなのは分かっている。貴方が人間に興味がないこともわかっている。歯痒くて、もどかしいこの距離感。

ねぇ、貴方は私がホルマリンに漬かったら、私を見てくれますか?





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