ミステリー



誰かの命を奪ってまで、僕が生きている価値はなくて、偉ぶることも出来ない存在で、だから僕がこの世界で生きていることが場違いに思えてきて、恥ずかしく、申し訳なくなってきて、どうしようもなくなったので、いっそ死んでやろうとか考えてみたけど、それって今まで僕が生きてこれた、誰かの命が無駄になるんじゃないかって悟れば、易々と死んではいられないと分かった。

じゃあどうしたらいいんだろう、ってじっくり考えてみたら、なら今度は僕が誰かの命の為に、この身、この命を捧げればいいのだと名案が浮かんで喜んだ。こんな僕が、誰かの役に立つ。誰かの為になる、誰かを生かせる糧になる、と。

けれども、人間である僕を食べたいと思う人がいるわけもなく、やっぱり僕はこの世界の足を引っ張っていて、邪魔者で、役立たずで、本当に場違いに思えたけど、もうどうする事も出来なくなってしまって、いっぱい泣いた。

偉人だってカラスだっていつかは死ぬのに、どうしてこうも僕は簡単に死ねないのかわからなくて、この世界にしがみついてでも生きたいわけではないのに、今日もまた誰かの命を奪って生きているのだから、お涙より同情よりも、誰か僕を殺してください。




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