バクチ



先立った世論に反駁する者はいるが、いまいちこれといった説得力はなく、いつしか世論は独りでに歩きだした。当然、淘汰の喜劇が始まる。これは空想などではなく現実。いま目にしている世界の話。余りにも怪奇で、それでも成立している。このアンニュイ加減が絶妙とでも言おうか。いつ崩れてもおかしくない砂城に住みながらも不恰好にステップを刻み、泣き顔で笑うのである。




BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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