爪先立ち


あなたの心が知りたくて、どうみたって獅子に見えない星座を一緒に指でなぞってみれば、あなたは私の手をただ握り締めたまま何にもしてこなかった。


「少し冷えてきたわね」
「……そうか」


私の手より冷たいあなたの指先が蠢き、肌が粟立つ。私の心が見透かされているように錯覚して、苦し紛れに抱きついた。首に腕を回して、必死に爪先で立って近づこうとした。


「どうしてだろ…一緒にいるのに、寂しい……」


あなたは黙ったまま、謝ってきた。鼻の奥に寒さがツンと突き刺さり、目頭が熱くなった。何もかもが、暗く黒く見えたのだけれど、白い光が視界をちらつき上手に泣けたような気がした。





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