三角
「私ね、好きな人できたの!」
「はいはい、次元違いのね」
「聞いて!よく聞いて!」
「はいはい、聞きますとも」
「いい?準備いい?」
「はいはい、いーから言いなさい」
「三次元の人を好きになりました!」
「はいはい、じゃあ明日は雷雨だね」
「まだあるからちゃんと聞いて!」
「はいはい、聞くから落ち着いて」
「ホモの人、好きになっちゃった」
「はいはい………って、はい?」
「その人には男性のお相手がいるの!」
「いや待て待て待て!早まるな!」
「もうホモすき!」
「あん………?ホモが好き?」
「違う、ホモの人」
「うわああああぁぁぁ」
「なんか、いいよね」
「に、二次元でやってください…」
「あっ、ほら、みて、あの人!」
「………ん?」
「C組の、委員長さん!」
「あ?…あー、イケメンだよね」
「だよねー!攻め、かなぁ?」
「は…?本気で意味わかんない」
「いや、あの人ホモだよ」
「ヒイイイィィィ…」
「野球部のキャプと…あ、あの人!」
「あ、えと…肩組んでる、人?」
「仲いいなって思ってたら…ね」
「お触りが…ナチュラルだ…おぅ」
「この間ね体育館裏でふっかい」
「やめてマジやめて」
「…キスしてたってだけだよ」
「それでも…知りたく…なかった…」
「あっ、ほら見て、委員長受け!」
「専門用語まじやめて」
「お陰様で私も目覚めたよね!」
「え…なにに?」
「だからホモに」
「…ホモだから好きになったの?」
「まあ、それにイケメンだしね」
「はいはい、もう死ね、黙って死ね」
(三角の始まり)