ベッド



一人分のベッドで二人分の体重と体温が重なる。荒くなった呼吸を静めようと大きく息を吸って吐く。好きだと言ったらにっこり笑ってくれた。愛してると言ったら頬を赤くして照れた。お互いの性器が、また、ゆっくりと結合される。安っぽいベッドがいやらしく軋む。そうして愛が具現化しようと二人の体温を上昇させる。赤く腫れぼったい唇を貪れば精子が騒ぎだす。子宮がそれを受け入れる準備に取り掛かる。

ベッドの上で愛は女の声帯を借りて産声をあげるのだ。この理が分かれば生命は絶えないはず。

はず。




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