ライト
暗闇の中で携帯のライトがぼんやりと浮かび上がっている。彼の輪郭を怪しく浮かばせ、私はシーツを手繰り寄せて裸体を隠すと彼の傍に静かに近寄った。
「なにしてるの?」
「浮気チェック」
「…飽きないわね」
「お前だって」
「え?」
「俺に飽きないじゃないか」
意味わからない、と呟いて彼のうなじに唇を落とした。彼はくすぐったそうな仕草をして顔だけこちらに向けた。そうして私の寝呆けた顔を見て一瞬だけ笑うとキスをしてくれた。
それから角度を変えて何度も交わした。どんどんキスが深くなっていくにつれ、彼は私の頭をいとおしそうに撫でた。携帯なんかはそっちのけ。だって、明かりがなくったって私と彼は愛し合えるのだから。