霞
顔をあげれば継ぎ接られた鉄板が空を飛んでいた。悠々と軽やかに。あそこに何百もの命がある。絶対の安全と信頼とほんのちょっとのお金で成り立っている。実に可笑しいな、それでいて真面目で、不可思議なげんじつ。あの飛行体は沢山の命を抱えながらどうしようもないくらい汚れた世界に白くてふわふわした雲を生み出し汚れを隠してゆく。誰もそれを汚いと言わないのだから、自分の目が霞んでいるんじゃないかって疑ったよ。
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