装う
目覚まし時計に起こされ目を擦ると目脂がついていたらしく不快に思って起き上がりベッドから足を下ろす。立ち上がるのと同時にハーフパンツをずり下げで足を抜き出し制服のスラックスに足を通す。ベルトを締めてシャツを脱ぎカッターシャツに袖を通す。シャツの冷たさに肌が粟立つ。構わずネクタイを締める。タイの形が良好だ。部屋のカーテンを開けてカバンとウォークマンを持って下に降りる。テレビをつければ連日世間を騒がしている連続強姦殺人事件について話題が持ちきり。それを横目にうがいをして顔を洗ってある程度髪をとかす。鏡に写った自分と目が合う。
こんな何処にでもいるありきたりな高校生が強姦魔で猟奇殺人鬼なのだから世も末だよなあ。
そうして舌舐めずりをしながらコンドームと護身用という建前のサバイバルナイフをスラックスのポケットに仕舞い込むのだ。