休息



仕事から帰ってきて酷使しすぎた全身をソファに放り投げて蒸すように暑い部屋の窓を開けることさえ億劫に思えた。世間が節電と騒いでいる中でクーラーをつけるのは少し憚ったので手に取ったリモコンはクッションに向けて投げた。

天井を仰いで一息ついてみた。けれども滲み出る汗がブラウスとハダを密着させるから不快指数も頂点に達して、痺れを切らして勢いよく起き上がって窓を開けた。

そうして排気ガスで汚れた空気を顔に浴びた。目を閉じて伸びをした。あのネオンに光る街で今日も生まれるうすっぺらい愛を私は見下した。

震えない電話を手にしても、うすぼんやりと浮かび上がる待ち受け画面。そこに写るのは二人分の笑顔。

「あー、やだやだ」

そよ風がいたずらに私の中を駆け抜けた。






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