分岐点



どうやら私は生死を彷徨っていたらしい。いわゆる三途の川を渡るか渡るまいかうろうろしていたらしい。私には見に覚えがないが。家族みんなは頭を集めて私が目醒めた時に飛び上がって泣いたそうだ。どこまでが比喩表現か分からないが。私は言ってしまえば不治の病にかかっている。どうやら珍しい病気らしくカタカナがやけに多くてふざけているんじゃないかって思う病名。それを聞いたとき私は死を悟り覚悟した。どうせ行き着く先は同じところだ。変に生かさないで欲しかった。スズメの涙ほどしかない寿命を病床で迎えるのだから。変に家族を舞い上がらせないで欲しかった。

ああ、それなのにどうしてだろうか、私は生きている自分に安堵して、泣いている。






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