腐臭
君が君でいるかぎり私は私でいられる。言葉を交わさなくてもいい。隣に君がいるだけで心が落ち着いて、また穏やかに明日を迎え入れられる。君の飛び出た左目は無くなった右目を探しているようで、剥き出しの心臓は君の存在を主張しているようで、斬り取られた足は私から離れないと物語っているようで、照れてしまう。力ない君の左手に無理やり右手を絡める。もぎ取れそうな頭部に唇を押しあてれば鼻の奥がツンとした。
まだ、君は君でいて。
(私の生が尽きるまで)
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