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余りにも痛過ぎた。酷い頭痛が眩暈を引き起こす。言葉の節々のトゲが肥大化し自分の胸を突き刺しそれから抉るようにねじ込まれ泣けない痛みに耐えながら狭い部屋の中で藻掻き苦しむ。床にのた打ち回るよりは、まだいい。ハンダゴテを眼球にだなんて見せ物芸もいいとこだ。滑稽どころの騒ぎじゃすまないと言うのに金の亡者達は皆、人非人で手を叩き指差し笑う。自分は心で、良かったと思いたい。幸福な死を、あの、左目を失った少年に贈りたい。

内側に奇形した右足を引き摺りながら少年に近づく。声にならない叫び声。割れていて、喉が枯れていて、心底苦しそうだった。コンクリートの冷たさが足の裏から染みる。少年は自分の存在に気付く余裕すらない。引っきりなしに甲高い声をあげて、身を縮こませたり、背中を弓よりにしたり、右へ左へ体勢を何度も変えている。どうしようもないのだろう。ならせめて、幸福な死を、哀れな少年の為に、穢れよう。

馬乗りになる。首に手をかける。抵抗はしないが、暴れられる。だから指に力をこめていった。汗と、少年の血が、手を滑らせる。いやな滑り、気持ち悪い体温。殺せ、と鼓膜から心臓へ流れる。大歓声。悪い気分ではない。自分は少年に幸福な死を捧げるのだから。それから指に力がくわえられる。

動きが鈍く、弱くなってきた。全体重を手で支える。一思いだった。

大歓声、拍手喝采。どこからか口笛が聞こえる。大量のチップが降り注がれる。乱れた呼吸を段々と落ち着かせ上を見上げた。自分はこの世界も、自分も、反吐がでるほどに、嫌いです。




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