つめたい



墓前に渇いた風が吹いた。枯れた木々が怪しく揺れる。伸びた黒い影が正体を隠す。不気味さを際立たせるかのように犬が遠吠えをする。

大きな階段を一段ずつ登っていく。分厚い木のドアを力強く二回叩いた。冷たい風が頬に突き刺さり痛い。鼻まで隠れるマフラーさえも冷たい。白い息が吐き出される。



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