初恋の日が青



「愛って、永遠に続かないから燃えるんじゃない?」


ある晴れた日の午後。部活の先輩とそう言う話題で盛り上がっている。先輩の言う事の大方は理解出来ないでいる。自分は馬鹿だからだろうけど、言葉の意味が深いのか浅いのか、考え方、捉え方次第で人それぞれ違うとは言うもの、先輩が何を考えて言っているのか少し自分にはわからない。


「はあ…」
「ねぇ、あんたが思う永遠の愛って何?」


プリッツを口で折って咀嚼する音がやけに教室に響いた。酷使し過ぎた身体と口が渇くプリッツの相乗作用と言うものだろうか異常なくらい水を欲した。


「あの…飲み物、ありますか?」
「プロテインあるわよ」


先輩はキッチリしていた。とにかく今は何でもいい、水気のあるものが欲しかった。差し出されたボトルを素直に受け取り三口飲んでやめた。思わず間抜けた声が出る。


「ありがとうございます…」
「全部飲んでも良かったのに」


部活終わりにこうして先輩の二人で雑談をするのは楽しい。こんなふうに雑談するようになったのは半年ほど前で、自然とそうするのが当たり前になった。話を聞くのは嫌いじゃない。


「先輩、永遠って証明されてないじゃないですか、んで永遠を証明するとしたら証人する人が必要ですよね、その証人を…」


先輩は顔の前で手を振った。目を合わせると笑われて戸惑った。


「永遠の愛の話よ」
「あ……すいません」


自分は喋るのが苦手だったりする。下手と言うべきなのだろう。よくこうして先輩に指摘をされる。だからこの時間は喋るのが下手な自分にとって本当にいい時間だと思う。


「んまあ、言いたい事は分かるよ」
「ああ、はい…」


先輩は大袈裟に自分の肩を叩いた。手加減された手の平に愛しさが募る。


「あんたが永遠を証明すればいい、あたしが証人になってあげる」



グサリと深く鋭く自分の大事なところに突き刺さった気がした。自分は先輩が好きなのに、貴女はそれを知っていてこんな酷いことを平気に言うのだ。辛いのはお互いだというのに、先輩は、先輩は。


「…それが一番燃えるわ」


メラリと青い焔はこの季節に似合っていた。




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