ズルい人



もっと好きになる速度が速ければ良かったのですか。ああ、そうですか。そうですよね。人妻を好きなった僕が悪いんですよね。でも貴女だって僕の事が好きなんですよね。ふふっ、素直じゃないですね。言わないなら言わせてみせましょうか。


「笑わせないで…」


抵抗しないのですか。いつもと違うので遣り甲斐がありますね。と言うか本来これが普通なんですよ。愛し合っているのに押し倒されただけで平手打ちなんてどんなプレイですか。貴女が嫌がってるのにセックスしてる僕は犯している気しかありませんよ。犯罪ではないのに。


「ふざけないでよ…っ」


でも嫌がってるふりをしているだけなのでしょ。自ら腰振って、今だってほら、こんな状況でも貴女は感じてる。僕にナイフ向けられているのにですよ。とんだ淫乱ですね。


「ン、ふっ…や、め」


止めて欲しいのですか。僕の指を厭らしい液で汚しておいて子宮では僕を欲しがっている癖に。旦那さんとのセックスでは物足りないのでしょう。貴女のような淫乱を満足させられていないのでしょう。


「う、るさい…っ」


挑発的な態度を取る貴女も魅力的で素敵ですよ。僕はそんな貴女を愛しています。ナイフを向けているのは愛しているからです。僕は貴女に何度も愛を注いでいるのに貴女は一向に受け取ってはくれない。僕だって人間です。こういう事が罪なのは知っている。でも僕と貴女を結ぶのは身体しかない。だからナイフを向けているのです。傷をつけたら傷口を触る度に貴女は僕を思い出す。殺したら貴女は僕の胸の中で永遠に生き続ける。僕は貴女が欲しい。僕には旦那さんのように沢山のお金はありません。でも愛はあります。貴女が欲しがっているものはお金ですかそれとも愛ですか。


「あ、あっ、あなたの、せーえき…っ」


貴女はズルい人だ。



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