ふふふ
「俺、多分お前が好きだと思う」
放課後。
誰もいない教室で告白をされた。
同性に。
「ごめん、俺そうゆうのは…」
「俺だってそうだ、でも…」
机一つ挟んで向かい合うように座っている。告白された時に俺は不自然に視線を下げた。
視界には手付かずの参考書と真っ白のノートに置かれたシャーペンを握った自分の手。
「でも、俺、お前が好きだ」
「矛盾してるんだけど…」
次の瞬間にシャーペンごと手を包まれた。突然の行動に肩を大きく揺らす。
「なっ、なっ、」
「幸せにするから」
大きくて暖かい手だ。ゆっくり顔を上げたら視線が絡まる。顔が紅潮していくのを自覚した。
暖かい温もりは頬へも伸びてきた。心臓が煩くなってきた。それを悟られないように視線を下に落とした。
「す、好きにしろ……っ」
少しだけ、体温を独り占めしたくなっただけの話。