藍色

消えていく青い影に僕は何を思ったんだろうか。

白い朝もやの中、眩しい君が現れて僕は息の仕方を忘れた、冷たい春。血色のいい顔色に僕を見つめる漆黒の瞳と真っ赤な唇。その右端にある小さな星のようなホクロ。落ち着いた髪色に、笑うと見える白い歯。

風に煽られた髪はふわりと浮かんで、それはなんだか影を知るアンニュイさを際立たせていた。

運命なのかな、あなたときれいな月を見たい。
口説けないけど、口説きたい。そう思った。

何も守る物がない僕には君とどんな距離をとればいいのか分からない。手を目の前で翳されても、差し伸ばすことができない。

この、何も話さないまま、この、時間をどう過ごしていいのかわからない、まま。






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「見えない臓器の名前は」
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