遊音


切なくなるのは、あなたの所為。

愛してほしい、という前に愛してよ。そばにいてほしい、という前にそばにいてよ。

頼まなくても私を満足させてよ。

そう思う私。

愛なのか、なんなのか、もうぐっちゃぐちゃでわかんなくなった、関係。

仕事なんかしないで、私の部屋で一日をまた、無駄にしているようなあなた。私は昼はあなたとセックスをして夜はオッサンとお酒を呑むだけの毎日だわ。

泣きたい気持ちは言葉にできない。

だけど、わたしはあなたが何を食べたいのか気になるし、何を考えているのか気になるし、何をしたいのかも気になるの。

好き、って言われたから今まで続いてるわけじゃないし、実は今もきいたことないし、愛してる、なんてこともきいたことないし、あなたは黒猫のように、フラリと気まぐれでいなくなってしまう。だからわたしは不安で泣く。

あなたがいなくなったから。

ひとりはこわいの。

いえにだれかいるって、いいのよ。

そうしていたら、あなたは音もなく帰ってくるの。何もきかず、なにも言わず、私は赤い目を気にして、あなたのすきなあんかけチャーハンを作るの。

満たされない毎日だわ。
だけど、言葉も態度もいらないわ。

あなたがいれば、それでいいの。

言葉にできない。
あいいれない。
切なくなる。
ぜんぶ、あなたの所為よ。









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