春の午後
不順な天候が続いたとはいえ、きちんと春になった。
そんな中で震えない着信を部屋の隅っこで、三角になって待っている私。
春と言われたら桜のピンクを思い浮べる。浮き足立つ気持ちは、桜の花びらが風に乗って舞い踊っているから。
気付かないふりのままをして、置き忘れたあの人との愛という形のないもの。
春の風と一緒に間違って吹かれて来ないか、と乙女チックになっては、苦く笑った。
春の行き場がなくなった午後。
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