愛を奪った



寄り添うたびに鼓動が早回りする。ギラリ光る街で、手の鳴る方へ、そこに闇が待っていようとも、貴方が居るなら、迷わず行くでしょう。

カラダは目覚めた。もう恐いものはない。夢は見れたが、人の目は見れなかった。カラダが欲すれば包み込まれたい。

抱き寄せた。君の目に誘われた。息を止めて、逸る鼓動が押さえられない。距離を縮めて。目を閉じて、君を見て、何もかも脱ぎ捨てて。

暴れはじめた衝動。なぞってばかりいないで、もっと中心に触れて、乱して、貴方で壊して。このまま、いけるとこまで、いきましょう。暴れだす、欲。

始まってしまえば、陳腐な言葉はいらない。弾ける。惰性でまだ動く。まだまだ、目を開けている余裕があるなら、我慢なんてしない。朦朧とする君に触れて、ぎくしゃく愛でる。

カラダは覚えた。冷たい布を、そっとめくった。肌色だけじゃない。落ち窪んだ黒は闇と化す。まだ見ぬ夢の中。慣れない胸騒ぎ。微睡む意識。痛みを知る事で、自分を見失える。言葉は不必要。唇から愛を奪った。









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