第16Q(3/3)



『おかえりなさいませご主人さ、…ま』
「やよいちゃん来たよー!」



来ちゃったよ。来なくて良いのに!!!!
ついにさつき姉と大輝が来てしまった。



「やよいちゃん凄く似合ってるよ!普段からこういう服着れば良いのにー!!」
『絶対嫌』



 今のこのフリフリの服は、お世辞を流せないほどに嫌だ。丁寧にサイズを直してくれた唯には申し訳ないけど……。執事なら喜んでやったというのに。



「なんでよー!似合ってるのに!
大ちゃんもそう思うでしょ?」



 何故大輝に振ったんだ、さつき姉。あー聞きたくない。大輝は相当メンタルにダメージが入ったのかさっきから固まっている。
 “キモい”、“変”、“似合ってない”。自分でそうだと分かっているのに、営業中の今に言わないで欲しい。我慢しているのだから。



「……やよいお前……パンツ見えるぞ……」



 ……は?

 予想外の言葉にこっちが固まってしまった。確かにミニスカートだが、ひざ丈程であり、普段着ている制服くらいの丈。(ミニスカートってどこからなのか分からないけど私的には短いからミニスカートとしている。)
 つまり何が言いたいかというと、そう簡単にパンツが見える丈ではない。あと、ちゃんと見えないように色々はいてるから。なんかよく分からないふわふわのショートパンツをはかされた。



「……大輝。あんたもうちょっとましなこと言えないの」



 大輝は、さつき姉に突然同意を求められて困ったんだろう。
同意はできない、でも何か言わなくては、と選んだ言葉があれか……。私はこれっぽっちも気にはしていないが、もう少しましな回避の仕方が出来ないものか。
 これじゃあ、さつき姉を落とすのはいつになるかと心配になってくる。はぁ、と私はひとつため息をついた。



「ではご案内致します。」



 後ろもつかえているし、私の仕事はお客さんの案内だけでなく、飲み物や食べ物を運ぶ仕事だってある。話も一段落したと、ふたりを窓側の席へと案内した。
 正直、いつも通りの対応をしたいところだが、執事&メイド喫茶とは?と、他のお客さん達に思われてしまう。嫌だけど、模擬店の審査もあるし……。適当にしているところを見られて、私のせいでクラスの足を引っ張るわけにはいかない。


 その後は特に何事もなかった。(あったことといえば何度か一緒に写真をとって良いかと頼まれ、丁重にお断りさせていただいたくらいだ。)
私だけが、という訳ではなく他のクラスメイトもだ。
執事服もメイド服も、唯の裁縫スキルでかなりの出来映えで、クオリティが高い。私を除き、メイド服に身を包む女の子達はみんな可愛い。私を除き。
写真を撮りたいと思ってしまうのも仕方ない。




 私は、心を無にしてシフト交代時間まで頑張った。本当に私よく耐えたと思う。

ふぅ、それにしてもお腹減った。
とりあえずまずは何か買いにいこう。

さて、文化祭、楽しんできますか!





▼あとがき
ご閲覧ありがとうございます!
区切りがよいので一度きります!
しばらく夢パートなしというか、胸キュン(?)パートはありません……!すみません!!
夢主がやりたい放題します←

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