『わぁ・・・・・・。』
海だー!キラキラと光を反射させる水色の海に感動して声がもれた。それはみんな同じようだ。
しかし感情の表現の仕方は人それぞれだ。
「ひゃっほーう!!」
「ちょっとー峰ちんまってよー!」
さっさと行動にうつしてしまう人もいれば
「勝手に行動するな!待つのだよ!!」
「待ってー!私もー♪」
追いかけるふりをして自身もはしゃぐ人も。
そして
「ふっ。さて、俺たちも行くとしよう。」
「うん・・・・・・!」
『そうだね』
最後まで感情を表に出さず心のうちに秘めておく人。個性は様々だ。
唯も赤司も顔には直接出てないけれど、その表情は優しくて、柔らかいオーラが滲み出ている。
私も隠してるつもりだけど、きっとこの二人みたいに隠しきれてないのだろうなと思った。
更衣を済ませ、待ち合わせの場所に3人で向かう。
さつき姉の発育は素晴らしく、唯もさつき姉程ではないがそれなにり、だ。
それに比べると私のものはかなり貧相だ。悲しくなるがまだ中一。今はまだ身長に成長がいっているだけで、そのうち他も・・・・・・と信じて開き直ることにした。
それにしても二人とも可愛い。
まず水着に女子力の差というものを感じる。二人ともヒラヒラしたスカートみたいな水着に対し、私はショートパンツみたいなやつ。というよりまずデザインの傾向が違う。私はどっちかっていったらスポーティーな感じだけど、二人は甘いガーリーな感じ。
私も水着だからそれなりに露出はしてるけど、二人に比べると劣る。
まぁ好きで気に入ったからこれにしたからそんなに気にしてない。
水着はさつき姉と買いに行ったのだが、さつき姉に薦められたやつは全部断った。だって全部ビキニくらいお腹が出るやつだし、さつき姉と同じくらい露出多いし。
肌はそんなに出したくないんだよ。私の肌なんて誰もみたくないでしょー。
それに焼けるし。
初めから薄い長袖のパーカーを着る予定だし、基本的に脱がない予定だから、結局何を着ても同じだ。
二人も一応半袖のふわふわした羽織を前を開けて着ている。
反対に私はパーカーのチャックを一番上まで上げ、フードを被った。
これも私なりの配慮だ。まず私の水着姿を見たい人はこの世にいない。そして中一男子だ。今の二人の格好は刺激的すぎるんじゃないだろうか。二人のこんな姿見たら赤面決定だよ。
でも少し楽しみだ。あの人たちがどんな反応をするのか。
「お待たせー!」
やはり男子の着替えの方が早く、四人はもうすでにパラソルやらビーチボールやらを準備していた。
さつき姉の声で全員がこちらを向いた。
予想通りの事が起きて面白かった。赤司を除き、だけど。
彼らは思った通り赤面した。
大輝は100パーセントさつき姉の水着姿に。紫原と緑間に関してはどっちか分からない。
それにしても反応が初々しすぎる。やはりまだ中学生なんだなと思った。
それにしてもなんの反応もしない赤司はなんなんだ。少々気にくわないがポーカーフェイスだということにしておこう。
(やよいちんの格好ヤバい、よ・・・)
(・・・・・・///)
(なんつーか普通にエロい・・・)
やよいのパーカーは少し長めで、おまけに水着のズボンの丈は短かった。そのためズボンはパーカーに隠れ、パーカー以外はなにも着ていないように見えたのだ。
パーカーからすらりと伸びる長い足がより色気を増させていた。
自分の色気をゼロにするためにしたこの行為は、逆に色気を出していたということにやよいは気付くはずもなかった。
←│
→