その後は何もなく無事体育祭が終了した。
倒れなかったよ!うん、
そして見事赤団は優勝した。
唯と喜んでたとき、その後ろに赤司が見えた。のだが、これにまた驚いた。
てっきり“勝利するのは当たり前だ”と、スカした表情(←)をしているのかと思ってたけど、そんなことはなかった。
逆に目を細め、穏やかに微笑んでいたのだ。
あんな表情もするんだ。レアだ。
しかしこうみると本当に美人だな。
体育祭の片付けほど面倒くさいものはない。
大道具係の招集場所に行くと、虹村先輩に“お前は帰れ”と言われた。
“家で寝とけ”だそうだ。
頭をガシガシと一瞬だけ撫でられ、そのまま仕事へと戻ってしまった。
虹村先輩とはなんだか今日一日でものすごく仲良くなれたと思う。
ゼロからというより、むしろマイナスからの関係だったのに。
やっぱり手伝った方がいいかなと思ったけれど、ここは男に格好つけさせる場面だと思い、お言葉に甘えることにした。
帰りはさつき姉と大輝と帰ろうかなって思ってたけど、なんと驚くべきことにこのあと部活らしく、一人で帰るはめになった。
ボッチかよ。はぁ・・・。
こんな時だけバスケ部入ってれば良かったなんて思う。
そうだ、寄りたいとこあるから早く帰ろう。
朱に染まった空から目を離し、帰路を急いだ。
こんな泥だらけの状態でお店には入れないからね。
明日も晴れかなと思いながら地面を強く蹴った。
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