第5Q(3/6)


着替えてリビングへ行くと、夕飯はもうあと少しでできるから大丈夫と言われ、部屋に戻るのも嫌だった私はお風呂場へ直行した。
やっぱ一番風呂ってすばらしい。

お風呂から出た時にはもう大輝は帰っていた。今日はもうあきらめたらしい。夜ご飯食べていくのかと思ってたけど違ったみたいだ。


夕飯後さっそく勉強を始めた。何周したかわからないほど解いた数学の問題集を開き、テストに出そうなところを髪に書き出していった。私から大輝に教えることはしない。それはさつき姉の役目だ。

唯の誘いを断って大輝に勉強を教えるなんて御免だ。唯>>>>>>大輝だから。

5教科すべて書き出し終え、ぐぐぐっと背を伸ばした。チラッと時計を見ると思った以上に針は進んでいた。大輝のために使った時間だと思うと少し癇にさわるがここは全教科のおさらいをしたということにしよう。

ぶっ通しでやっていたからさすがに疲れた。

今日はもう寝よう。


トイレに行って、薄紫色のベッドにもぐりこむ私に対し、さつき姉はいまだに机のスタンド電気をつけ、いまだに勉強していた。じっと見つめているのに気付いたさつき姉は“おやすみ”とやさしい笑顔で言ってくれた。
私も“おやすみ”と返すと、再び勉強机と向き合った。

それでもじっと見つめ続けた。

大輝にはきっと苦戦しながら教えてる。ずっと付きっ切りで教えているはずだから、大輝にかける時間の方が多くて、さつき姉の勉強には手が付けられてないんじゃないかって思った。

そう思ったらなんだか申し訳ない気持ちがこみ上げてきた。

私も手伝わなきゃ。。。



さつき姉に背を向けて私は布団を深くかぶった。


布団からは太陽のにおいと少しだけ大輝のにおいがした気がした。





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