はたけカカシの恋人という死亡フラグを折りたい

【attention!】

・夢小説です。「夢小説ってなに?」という方はブラウザバックです。

・短編ですが、夢主は、トリップ?転生?というか原作知識あり

・カカシ先生と恋人設定

・夢主がアホ属性です。だたのアホです

・夢主がアホなのでギャグっぽい要素あり

・出だしはややシリアスですが、途中からギャグ調、メタっぽいです。

・内容はカッスカスです。会話文ばっかです。

・カカシ先生が、若干黒いです。
夢主の扱いがやや雑ですが、この小説の設定では、重重感情を隠しながら、夢主と付き合ってる感じです。

・夢小説というより、半分ネタ、ギャグ小説と思いながら読んでください……

・おまけの続き書くかは検討中です。

・ここまで読んで「無理そう」と感じた方はブラウザバックを推奨いたします。






 何がきっかけとなったか分からない。
 お互い非番の昼下がり。同棲中の恋人とふたりきり。
 ソファに座り、麦茶を飲もうと、コップを口に運ぶ。結露でガラスの表面にできた冷たい水滴が指を伝った。
 私の隣で、恋人の目の前だというのも気にせず堂々とエロ本を読む彼を横目で見ていた。
 なんの変哲もない、いつもの日常の一部だった。
 扇風機の風が、彼の髪を靡かせる。やや猫背気味に腰掛け、片手に本を構える。恐ろしく整った横顔。本に向けられた視線は伏し目がちである。
 何度も見てきた光景だというのに、その姿に、なんとなく物悲しさのようなものを感じた。
 その瞬間だった。
 走馬灯のように、色々な映像が脳裏に駆け巡った。
 


──NARUTO

──うずまきナルト うちはサスケ 春野サクラ

──第七班

──波の国編 中忍試験編 暁 ペイン襲来編

──忍会大戦

──一部 二部 疾風伝

──XXX外伝 戦場のボーイズライフ

──アニオリ XXX暗部篇 闇を生きる忍び



 突然の出来事に、自分に何が起きたのか分からなかった。思考も体も硬直していた。
 喉を潤そうと、麦茶で満たしたコップを口元で傾けていたことも。それが口の中に入っていないことも。麦茶は溢れ、首もとからズボンまでビチャビチャになっていることにさえ気付かないくらい、脳裏に映し出された映像は衝撃的なものだった。
 恋人は、私の様子がおかしいことに気付いた。
 そして、私もまた、『恋人』という存在に気付いた。

「もしかして、はたけカカシなの……? え?? 、嘘、何??? ちょっと、何???! あなた、あのカカシ先生なの!???」

 私の意味不明な言動に、彼は何かを察し、分かるはずがないのに「分かったから、落ち着いて」と、私を諭した。しかし、錯乱気味の私には意味をなさなず……

「私、前世のこと思い出したっぽい!!」
「……は??」

 この時のカカシの間抜けな声と顔は、この先一生忘れないだろう。


***


「……ここが『漫画の世界』、……ねぇ?」

 麦茶まみれのままだった私は、カカシに促され、着替えた後、先ほど『見た』ものを全て話した。カカシの反応からするに、半分信じて半分信じていないようだ。
 それもそうだ。何より、私自身がそうだった。

「いやぁ〜私だってビックリだよ信じられないよ。しかも、私が、『主人公の先生』っていう超主要キャラの『カカシ先生』の恋人……な、、んて……」

 あはは、と軽く笑っていたのだが、言いながら、私の『立場』、『配役』に気付き、青ざめた。
 『はたけカカシ』の過去は、物語に面白み、キャラクターの深みを持たせるための物だろう。『はたけカカシ』に恨みがあったでもなく、それだけの理由。重い過去を背負う闇を抱えたキャラクター。その立ち位置にされたのが、『はたけカカシ』というわけだ。
 物語の設定による都合により、理不尽な人生を歩まされてきた。
 例えこの世界が、本当に物語の世界だとしても、その全てがニセモノだとは思わない。今まで私が生きてきた、自分で感じて、歩んできた道は、作者によって操作されたものではなくて、自分の意思であったものだと信じたい。それは、きっとカカシだけでなく、この世界に生まれ落ちた全員がそうだと信じている。
 でも、仮にここが物語の世界だとして、カカシが所謂『不憫なキャラ』だとしたら……

「『はたけカカシ』の恋人とか、死亡フラグビンビンじゃない!????」

 小説なんかでよくある『不憫なキャラ』っていうのは、とことん理不尽な目に遭う。
 家族、友人、恩師。ときたら、次は恋人なんじゃないか!?
 この辺りから、私は暴走モードに入り、カカシは呆れモードに入った。

「例えばよ? 例えば……!」
「うん」
「例えば、悪いことなにもしてないのに、今までさんざん理不尽な目に遭ってきたキャラクターがいるとするじゃない?」
「うん」
「そんなキャラクターの恋人ってどうなる思う?」
「んー。なんか死にそう」
「やっぱりカカシもそう思う!??」

 私だけでなく、カカシも同じことを考えたようで、私は頭を抱えた。
 途中からカカシの相槌が適当になっていることにも気付かず、私は話を続けた。

「私たち別れた方がいいのかな!??」
「えーっ、なんでー。嫌だー」
「だよね!? 私も嫌だし!? どうしよう、カカシ!」
「どうって、どう?」
「そのキャラクターが、恋人を失わずに幸せになる方法!」

 死ぬのが怖いとか嫌だとかそんなんじゃなくて、私が死ぬことによってカカシが傷付くことが嫌だ。
 このフラグを回収せずに、何とかして折りたい。考えても良い案外思い付かず、カカシに助けを求めた。

「ねえ!カカシ!」
「結婚する?」
「え?なに?」
「だから、結婚しちゃえばいんじゃない?」
「け、けけけけ、結婚!????」

 カカシが放った言葉が、頭の中をぐるぐると回ってはこだました。
 プロポーズともとれる台詞だが、今の私なはそこまで考える冷静さは残っていなかった。

「そ、……、それだーーーーーっ!!! そうだよ! 結婚したらいいんだよ!!」
「うん。じゃあ、結婚しようか」
「結婚する!!」
「いつ結婚する?」
「え、……。今!!絶対今! 『この任務が終わったら……』とかフラグになっちゃうし!!」
「そうだね。じゃあ今結婚しようか」
「うん!!今結婚する!」

 話がおかしな方向に。正しくは、半ばカカシに誘導されていることにも気付かず、話は続いた。

「橘花はオレのこと愛してる?」
「愛してる!カカシは?」
「オレも愛してる。はい、じゃあ、誓いのキス」

 カカシは滑らかな手付きで、私の顎のラインを指先でなぞった。顎先に触れると同時に、軽く上に引き寄せ、押し当てるだけのキスをした。
 なんとも色気の欠片もない流れである。

「これで私たち結婚した!」
「うん、そうだね」

 本当なら書類等、もろもろの手続きがあるとカカシは分かっているのに、訂正せずに流した。
 一方、結婚した気になっている私は、カカシに抱きついた。

「これで無事にフラグへし折ったーーっ!!」
「よかったね」
「うん!! ねぇ、カカシ! 私たち、絶っっっ対幸せになろうね!!!」
「あぁ、そうだね」

 力強く抱きしめられ、私の肩に顔を埋め「絶対に幸せにする」と呟いた彼の声は、私の盛大なお腹の音によってかきけされ、私の耳に届くことはなかった。

「頭使ったし、心配事がなくなったから、お腹減ってきたよ!!」
「ん。なににしようか」
「んー、どうしようか?」

 この後、外食することになり、移動途中同期に会い、「やっほー! 私たち結婚したんだ〜」と、すれ違い様に挨拶のように結婚報告をし、大騒ぎになったのは、また別の話である。




(おまけ)
「ねぇ、オレたち結婚したんだよね」
「そうだね」
「オレは旦那さんで、橘花は奥さんってことだよね」
「そうだね」
「新婚さんだね」
「まぁ、そうなるね」
「じゃあさ、今日が初夜ってことだよね」
「……え、?」
──ギシッ……
「ちょっ!!、! ちょっと待って! 急に謎のスイッチというか、やる気ださないで!!???」
「今日はいっぱい愛し合おうね」
「カカシサン!!?話聞いてます!??ちょ、っ!カカシ!??カカシーーーっ!!!」



【後書き】
内容カスカスですみません……。
結局ギャグでも甘くもない小説でした(涙)
頑張ります……(涙)

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