TRUE(書き直す前)-33

私とパパは、里からの連絡を受け、綱手様と別れて急いで木の葉の里に帰ってきた。
来る途中でちょっとした事件があったけど…、

里に着くなり直ぐおじいちゃんの所に行って話を聞いた。
クシナさんは今、姿を変え、アヤノという名前で生活しているらしい。会うのは良いが、「クシナ」とバレない様にしろと釘を刺された。

私はそれだけ聞いて火影室から飛び出した。会いたくて、この目でちゃんと確かめたくて。それに何となく分かるんだ。感じるんだ。クシナさんの居場所が。
自分のチャクラと共鳴するその気配をたどっていくと、そこには涙を流すクシナさんがいて、何かあったみたいだけど、私はクシナさんと再開できた。

そしてクシナさんと別れた私は、ぶらぶらと里の中を歩いていた。それにしても木の葉に帰ってきたのは何年ぶりだろう。以前と少し違う風景に時の流れを感じた。


『ここらへんかな…』


歩いてきた場所は、火影岩がよく見える絶景スポット。オビトお兄ちゃんとカカシお兄ちゃんと出会った場所でもあるあの場所だ。
一度目も二度目も屋根から落ちて二人に助けてもらった。今度こそは落ちない。絶対に落ちない。私だって成長したんだから!
そう意気込んで地面を強く蹴った。

舞い降りるかのように着地した。筈だったのに、高下駄の出っ張りが上手い具合に溝にはまり、私はバランスを崩しそのまま重力に体を引かれた。

もう!なんで毎回こうなるの…!?あの屋根絶対なんかある!!
体勢を整えるため体を捻ろうとした時。懐かしいにおいが鼻を掠めた。


「っと…大丈夫?」
『あっ…』


その人は、抱えた私の体をそっと離し、地面に立たせてくれた。その人は見慣れているけど見慣れない衣装を見に纏っていた。背も前よりずっと高くなって、顔も、雰囲気も全てが大人になっていた。
でも彼の銀色の髪は昔と変わらず、光に照らされてきらきらと輝いていた。



『か「おいカカシぃいー!!」


カカシお兄ちゃんと言いかけた私の言葉は誰かに遮られた。


「げっ、撒いたと思ったのに」
『あの…!』
「あんまり危ないことしないようにね、じゃっ!」


服を掴もうとしたが、その手は届かずそのすぐ後に、緑色の彼が風を立てて私の横をすり抜けていった。
それとほぼ同時に、胸の奥に黒い靄がかかり始めた。
会うのは数年ぶり。たぶん5年以上は経っている。私はちゃんとカカシお兄ちゃんのこと覚えてる。でもさっきの反応…

カカシお兄ちゃんは私を覚えていない…?


私は暫くの間呆然とその場所に立ち尽くしていた。




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