TRUE(書き直す前)-23

里に帰ったけどまだ戦争は続いているから、私は変わらずパパがいないときはクシナさんのところに預けられ修行を続けている。


成長で体が少し大きくなったというのもあり、前よりクシナさんと互角に戦えるようになっていた。
“強くなったわね”と頭を撫でられたときは本当に嬉しかったなぁ。


長門お兄ちゃんたちのと一年間の修行で、多すぎてコントロールするのが大変だと言われたチャクラも上手く扱えるようになり、そしてついに封印術は講習から実戦へと変わった。




「じゃあまずはチャクラを練るところからね」

『はいっ!』




コントロールできるように暇があればいつもチャクラを練る練習をしていたから今となってはもう得意だ。(と自分では思っている←)

すっと胸の前で手を合わせ、チャクラを練ると穏やかだったクシナさんの表情が強張り、ビクッと体が跳ねた。紺色の大きな目は大きく開かれ、そのまま固まってしまった。


あ、れ…?クシナさんどうしたんだろう…




『あの…クシナさん…?』




私は一度チャクラを練ることをやめて固まってしまったクシナさんの顔を覗き込んだ。

するとクシナさんははっとした顔をし、そのあと少しぎこちない笑みをして“なんでもないわ”と言った。

いつもと違うクシナさんの笑顔で“何かがあった”と考えなくても分かった。


でも何があったのかさっぱりだ。そういえば前もこんなことがあった気がする。
たしか雨隠れで長門お兄ちゃんたちと一緒に忍術の修行を始めたときのこと。

さっきと同じようにパパの目の前でチャクラを練ったとき、パパもクシナさんと同じような反応をしていた。

そういえばあのときパパに何があったか聞きそびれちゃったんだっけ…?んー。気になるから聞いても良いよね!!


しかし私の声をかき消すほどの大きな声でそれがクシナさんに届くことはなかった。




「アキラー!!」

『え?…!!パパ!!』




声がした方を向けばそこには手を振りながらこちらに近づいてくるパパの姿があった。帰ってくるのは明日のはずだったから少し驚いたけど、今回も無傷で帰ってきてくれたことが嬉しくてパパに飛び付いた。




『パパお帰りっ!!』




パパは私を受け止めるなりふわりと微笑みながら“ただいま”と言いい、そのあと高い高いをしてくれた。パパ身長が高いからこれをされるとかなりの高さができるわけで…高いところが好きな私はこうされるのが本当好きだ。パパもそれがわかってると思う。




「あの…自来也先生…」




静かに呟かれたクシナさんのその声で、私を高い高いをしていたパパの手が止まり、ゆっくりと私を地面に下ろした。

クシナさんの顔を見ると、その表情は少し険しくて、どこか深刻そうに眉間にシワを寄せていた。




「少しお話が…」




クシナさんがそう言うと、パパは“わかった”と言いクシナさんに向けていた視線を私に戻し“先にクシナの家に戻ていろ”と続けた。

何を話すのかすごくすごく気になったけど、少し重たい空気に押され私は声を出さずに頷くだけしてその場から離れた。


走りながらクシナさんから家の鍵をもらい忘れたことに気づいたけど、あの場に戻るわけにもいかずそのまま走り続けた。








「行ったかのォ」

「そうですね」




アキラの気配が遠くなったことを確認してから、二人はようやく口を開いた。




「どうしたんだ?
 お前から話があるとは珍しい」



話を切り出したのは自来也からであった。普段あまりしないキリッとした真剣な表情をする自来也を見てクシナは少し緊張してぐっと背筋を伸ばし、視線を下に落としてふうっと小さく息を吐いてから自来也を見た。




「今までチャクラを使うような修行はあまりしてこなかったのですが…」




“なにせあのチャクラの量ですから”と困ったように笑いながら付け加えるようにクシナは言った。




「でももう大丈夫だと思って、術を教えるためにアキラちゃんにチャクラを練らせたんです。」




クシナはそれしか言っていないが自来也は全て理解したようにはっとした顔をし、動揺したようにクシナの肩を掴んだ。




「まさかお前も見たのか!?」




クシナはその行動と反応に驚いたものの先程の自来也と同様、その言葉だけで自来也が何を考えてるのかを理解した。




「ということは自来也先生も…?」

「あぁ。」




クシナの問いに短く答え、そのあとに“気のせいかと思ったがお前が言うなら間違いないな”と自来也は続けた。




「ワシが見たときもアキラにチャクラを練らせたときだったのォ」




少し冷静になった自来也は掴んでいたクシナの肩から手を退け、考え込むように腕を組んだ。




「あの封印式…あれは一体…」







「気になりますね。


    あの首飾り」





見えないと、なにも解決しないと分かっていながらも、会話が途切れると二人はアキラが姿を消した方をしばらくの間じっと見つめていた。








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