「なんなら、次の仕事が見つかるまでちで働くかい? 会社勤めほどの給料は出せないが、食べてく分ぐらいなら保証してやれるぞ」 「それも良いお話ではありますが、良ければ、私の家に来ませんか?」 「赤屍さんの家に?」 「ええ」 赤屍が微笑みかける。 「いわゆる、住み込みの家政婦、ということになるのでしょうか。食事の支度と掃除さえして頂けるなら、衣食住で不自由はさせないと約束しますよ」 「そいつはいい。誰かさんと違って、赤屍なら甲斐性もあるし、経済的な面では心配ないだろう。いい話じゃないか」 「お前ら…俺の時とはえらい違いだな…」 ブルマンを片手に蛮がぼやく。 しかし、誰も聞いていなかった。 「でも、本当にいいんですか? そんなにお世話になっちゃって…」 「ええ、是非そうして下さい。そうなると、引越しはやはり年内に済ませたほうがいいですよね」 「それなら、俺の知り合いにいい業者がいるから紹介するよ。本人は身一つでお前さんのところに向かわせればいいんだろ?」 「そうして頂けると助かりますよ。お願いします」 それなんて永久就職? というか、下心丸出しじゃないか。 蛮はもはや突っ込む気力もなくして、ただ虚ろな眼差しで黙々と煙草を吸い続けた。 「さて」 波児がポンと手を叩く。 「これで話はまとまったな。で、今日はクリスマスイヴなわけだが」 「そういえば、そうでしたね」 赤屍がクスッと笑った。 そうして、改めて聖羅のほうを見る。 「今日、これから何かご予定はありますか? 聖羅さん」 |