もはや、ホストクラブどころか、風俗になりつつある。 「それは私が困ります。貴女の裸エプロンは私だけのモノですから、ね…」 「赤屍さん…」 女性客に頼まれて、パフェを食べさせている銀次をバックに、聖羅と赤屍は見つめあった。 今夜は燃え上がりそうな予感… 「……オイ……」 テーブルを拭く蛮に低く凄まれ、聖羅ははっと赤屍から目を逸らした。 ぽうっと染まった頬を手で抑えて、しどろもどろに口を開く。 「あ…えっと……あの…」 「わかりました。では、ウェイトレスさん達の服装は、私が何とかしましょう。貴女は安心して働いて下さい」 「はい!有難うございます!!」 「礼は必要ありませんよ。愛する貴女の職場を守る為ですからね。どんな手を使っても、この喫茶店を守り抜いてみせましょう」 「嬉しい…私も頑張ります!お客さんがもうこの店じゃなきゃダメな躯になるような、凄い特典を考えますねっ!!私が赤屍さんにそう調教された時みたいな、スッゴいヤツを!!」 波児は、もう何もかもが嫌になってきたが、そこは腐っても喫茶店のマスター。 意地でも珈琲を淹れる腕は休めなかった。 ただ、真っ黒なサングラスの奥の瞳から、何故かしょっぱい水が流れ落ちるのだけは、どうしても止められなかった。 |