※節分

「赤林さん、豆まきしよう!」
「ああお嬢、やろうやろう」
「じゃあ、赤林さんが鬼やってくれる?」
「いいよお、お面はこれでいいかい?」
「うん! それじゃあ行くよ?」
「はいはい」
「鬼はー外ー!」

ぺしぺしっ

「う、うわあーっ!」
「え、あ、赤林さん……?」

ダダダッ、バタン

「え、え……?」
「……やってしまいましたね、お嬢……」
「あ、風本さん!」
「実は赤林さんは本物の鬼だったんですよ。それで苦手な豆をぶつけられて外に……」
「え! そんな……どうしよう……」
「赤林さんを戻すには、逆に『鬼は内、福は外』と言って豆を拾う必要があります」
「え……福を外にやっちゃうの……?」
「鬼を留めておくにはそうするしかないんです、お嬢」
「そ、そんな……」

ぐすぐす

「……風本、何故お嬢は泣いてるんだ?」
「し、四木の旦那!」
「手前、流石にこれは言い逃れ出来ねえぞ」
「青崎さんまで、いやこれは赤林さんが……!」
「言い訳は見苦しいぞ、風本」
「そうだ風本、とりあえずお嬢と俺たちの分肉まん買ってこい」
「なんで!」
「じゃあ指を詰めるか」
「買ってきます、買ってきますよ!」

「おいちゃんはカレーまんね」
「あ! 赤林さん!」
「ごめんねえお嬢、急にお腹痛くなっちゃって……風本くんが言ったことは全部嘘だから、安心していいよ」
「あ、あんたがお嬢を担いでやろうっつったんじゃないすか!?」
「早く中華まん買っといで」
「チクショー!」


「……結局、豆まきやってないよ?」
「……あとで鬼どもを追い出してからやりましょう、お嬢」
「?」


赤林、風本→茜ちゃんをびっくりさせてやろうと一芝居打つ
という話でした。
最後のは四木さんです。




 


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