※嫌な話(臨静)



静雄は唇を震わせ、涙をぽろぽろと零した。
臨也はそれを優しく指先で拭う。

「怖い?」

臨也がそう問うと、静雄はゆっくりと首を横に振った。

「分かんねえ。……ただ、涙が止まらないだけだ」

臨也はクスリと笑うと、静雄の手をきゅっと、強すぎず、しかし絶対に離さないように握った。静雄はそれをおずおずと握り返した。

「大丈夫。誰も見てないよ、俺以外は」
「ん……」

涙を手の甲で拭い、静雄は臨也に微笑んだ。

「臨也、」
「ん?」
「ありがとう」

こんな俺を一番に選んでくれて。
静雄のその言葉に、臨也は照れたようにこちらこそ、と返した。

そうして二人は、高い高いビルの上から一緒に、重力に任せて落ちていった。


ロビンソンです。



 


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