24.-2


「うまいわ、二人とも───」





声が出なくなった死喰い人が、突然杖を振った。
紫色の炎のようなものが一閃、ハーマイオニーの胸を横切る。
ハーマイオニーは「アッ」と小さく声をあげ、倒れて動かなくなった。





「ハーマイオニー!」





ハリーがハーマイオニーの傍らに膝をついた。
名前は駆け寄りかけたが、死喰い人がサッとハリーの背中に杖を向けて此方を見る。
牽制されているのだ。名前は駆け寄りたいのをグッと堪えて杖を構え続け、その場に留まる。

死喰い人の足元で、杖を前に構えながらネビルが急いで机の下から這い出てきた。
そこに死喰い人のキックが入る───足がネビルの杖を折り、そのままネビルの顔に当たった。
ネビルは顔を押さえて呻き、体を丸めた。

名前が一歩踏み込む。すると死喰い人は此方を見て、ハリーの背中に杖を向ける。
やきもきする状況の中ハリーは、杖を掲げて振り返った。
死喰い人はフードを脱いでハリーを見た。
細長く青白い顔だ。




『……。』





死喰い人は冷たい笑みを浮かべた。
そして杖を持つ手とは反対の手で、ハリーが持つ予言の球を指差した。
それから自分を指差し、最後にハーマイオニーを指差した。
言葉は無くとも言いたい事はなんとなく伝わる。
「予言を自分へよこせ、こいつと同じ目に遭うぞ」と脅迫しているのだ。





「僕が渡した途端、どうせ皆殺しのつもりだろう!」



「ハリー、なにごあっでも、
ぞれをわだじじゃダメ!」





叫んだ直後。扉の外で物音が聞こえ、死喰い人は振り返った。
赤ん坊頭の死喰い人が泣き喚きながら戸口に現れたのだ。
癇癪を起こした子どものように大きな拳を振り回している。





「ペトリフィカス トタルス! 石になれ!」





ハリーの放った呪文は死喰い人へ命中した。
先に倒した死喰い人に折り重なって倒れた。
赤ん坊頭の死喰い人は興味を失ったように、ゆっくりとその場を立ち去る。

すぐに名前は駆け寄り、ネビルは机の下から這い出し、ハリーはハーマイオニーを揺り動かした。





「ハーマイオニー。
ハーマイオニー、目を覚まして……」



「あいづ、ハーミーニーになにじだんだろう?」
鼻が折れているらしい、みるみるうちに腫れ上がり、鼻血が顎まで流れている。


「分からない……」



『ネビル、傷を見せて。』





ネビルは名前を見た。傷を見せたと言うより反射的に見たようだ。
名前はネビルの鼻に向けて杖先を向ける。
治療の呪文を唱えると、ネビルはウッと痛みに呻いて鼻を押さえる。





『応急処置。』



「ありがどう。」
まだ鼻声だが、折れた鼻は元に戻った。
「みゃぐだ、ハリー。みゃぐがあるど。」
ハーマイオニーの手元を探り、ネビルは言った。



「生きてるんだね?」



「ん、ぞう思う。」





安堵したのも束の間。緊張で空気が張り詰める。
まだ死喰い人達はハリーを探しているし、ロン達の行方も無事も分からない。
誰もが黙って辺りの気配を探った。
音といえば、隣の部屋で赤ん坊頭の死喰い人が泣き喚いているくらいだ。





「ネビル、ナマエ。僕達、出口からそう遠くはない。
あの円形の部屋のすぐ隣にいるんだ……僕達があの部屋を通り、他の死喰い人が来る前に出口の扉を見付けたら、君達はハーマイオニーを連れて廊下を戻り、エレベーターに乗って……それで、誰か見付けてくれ……危険を知らせて……」



「ぞれで、ぎみはどうずるの?」
鼻血を袖で拭い、痛みというよりは非難するような顔でハリーを見た。



「他の皆を探さなきゃ。」



「じゃ、ぼくもいっじょにざがず。」
ネビルはハッキリ言った。



『人手はあった方がいいだろう。』
名前も行く気満々だ。



「でも、ハーマイオニーが───」



「いっしょにづれでいげばいい。
ぼぐが担ぐ。ぎみだぢのほうがぼぐより戦いがじょーずだがら───」





ネビルは素早く立ち上がり、ハーマイオニーの片腕を掴んだ。そして睨むような目付きでハリーを見る。
決断を迷ってかハリーは視線を彷徨わせた。けれども
すぐに判断し、ハーマイオニーのもう一方の腕を掴む。
名前と二人で、ハーマイオニーをネビルの肩に担がせるのを手伝った。





「ちょっと待って。
これを持っていた方がいい。」





床に落ちていたハーマイオニーの杖を拾って、ハリーはネビルの手に押し付けた。
杖を受け取ってネビルは、おもむろに扉へ歩を進ませながら、自分の折れた杖を蹴って部屋の隅へやった。





「ばあぢゃんに殺ざれぢゃう。
あれ、ぼぐのババの杖なんだ。」





扉の横に立って名前は、クリスタルのある部屋を覗いた。
赤ん坊頭の死喰い人が泣き喚いて暴れている。





『赤ん坊の頭になった死喰い人が一人いるだけだ。』



「あいつは絶対僕達に気付かないよ。
さあ……僕から離れないで……」





それでも赤ん坊頭の死喰い人を刺激しないよう、注意深く静かに小部屋を抜け出した。
足音を立てないよう、周囲の物音を聞き逃さないよう、慎重に円形の大きな部屋に続く扉へと戻る。

クリスタルのある部屋から円形の部屋を覗く。
人気が無い。誰もいないらしい。
名前達は周囲を警戒しながら、円形の部屋へ踏み込んだ。
部屋へ踏み込んだ瞬間、扉が自動的に閉まった。
壁が回転を始める。





『ハリー、大丈夫。』



「平気さ。」





少しふらつきながらハリーは答えた。
死喰い人の呪文で吹っ飛ばされた時に頭部を打ったらしく、軽い脳震盪を起こしているようだ。

壁の動きが止まった。
ハーマイオニーが付けた×印が消えてしまっていた。





「さあ、どっちの方向だと───?」





右側の扉が開き、人が三人倒れ込んできた。
ロン、ジニー、ルーナの三人だ。

ハリーが駆け寄り、名前はハリーに三人を任せて、三人が出てきたばかりの扉を注視した。
誰も追ってきてはいないようだ。





「ロン!
ジニー───みんな大丈───?」



「ハリー。
ここにいたのか……ハハハ……ハリー、変な格好だな……めちゃくちゃじゃないか……」





どうもロンの様子がおかしい。
名前は横目でロンを見た。

ロンの顔は蒼白で、口の端からどす黒いものを流している。
そして力無くエヘへと笑いながら、千鳥足でハリーに近付き、ハリーのローブの前を掴んだ。
瞬間、ロンは膝をつき、掴まれたままのハリーは引っ張られてお辞儀の体勢になった。





「ジニー?
何があったんだ?」





ジニーは答えの代わりに頭を振った。
そして壁にもたれて座り込むと踵を掴んだ。

ジニーの前にルーナが屈み込む。
ルーナは無傷のようだ。





「踵が折れたんだと思うよ。ポキッと言う音が聞こえたもン。
奴らが四人で追い掛けてきて、あたし達、惑星がいっぱいの暗い部屋に追い込まれたんだ。とっても変なとこだったよ。あたし達、暫く暗闇にぽっかり浮かんでたんだ───」



「ハリー、『臭い星』を見たぜ。
ハリー、分かるか? 僕達、『モー・クセー』を見たんだ───ハハハ───」



「───兎に角、奴らの一人がジニーの足を捕まえたから、あたし、『粉々呪文』を使って、そいつの目の前で冥王星をぶっとばしたんだけど……」



「それで、ロンのほうは?」



「ロンがどんな呪文でやられたのか分かんない。
だけど、ロンがちょっとおかしくなったんだ。連れてくるのが大変だったよ。」



「ハリー。
この子、誰だか知ってるか? ハリー? ルーニーだぜ……いかれたルーニー・ラブグッドさ……ハハハ……」



「ここを出なくちゃならない。ナマエ、さっきネビルにやった呪文、出来るかい?」


『やってみる。』





名前は屈んでジニーの前に跪く。
治療の呪文を唱えると、痛みでジニーが呻いた。





『応急処置。』



「ありがとう。ルーナ、ジニーを支えられるかい?」



「うん。」
ルーナは杖を耳の後ろに挟み、片腕をジニーの腰に回して起こした。



「たかが踵じゃない。自分で立てるわ!」





そう言ってジニーは一人で立とうとしたが、直後倒れそうになり、慌ててルーナに捕まった。
ハリーはロンの腕を自分の肩に回し、ネビルはハーマイオニーを抱え、ルーナはジニーを抱えている。
ここで両手が空いているのは名前だけだ。
先程よりも一層気を引き締め、周囲への警戒を強めた。
ハリーの隣に立ち、付いていく。

十二もの扉の一つを選び、ハリーが近付いて行く。
扉まであと少しというところで、他の扉が勢いよく開いた。見るとそこには三人の死喰い人がいた。
先頭をきるのはベラトリックス・レストレンジだ。





「いたぞ!」





ベラトリックスが叫んだ。
失神光線が室内を飛び、名前は盾の呪文でそれを防ぐ。
選んだ扉にハリー達が入るまでの時間稼ぎだ。





「ナマエ、早く!」





ハリーが叫び、名前は盾の呪文で防ぎながら後退し、扉を潜る。
潜るやいなやハリーは扉を勢いよく閉めた。






「コロポータス!」
ハリーが叫んだ。
死喰い人はすぐそこまでやって来ていたらしい、扉にぶつかる音が聞こえた。



「構わん!」
男の声だ。
「他にも通路はある───捕まえたぞ。やつらはここ
だ!」





潜ったばかりの扉から目を離して、名前は周囲を見渡した。
脳が入った水槽の部屋だった。壁一面に扉がある。
死喰い人達は部屋の在り処を理解しているらしい。
名前も夢の中で覚えてはいたが、緊張ですっかり抜け落ちていた。

背後にある円形の部屋の方から忙しない足音が聞こえた。
他の死喰い人達が集まってきたらしい。





「ナマエ───ルーナ───ネビル───手伝ってくれ!」





名前達は急いで壁一面にある扉を完全に密閉していった。
扉の向こうでは足音が響き、時折あと一歩、タッチの差で遅れてきた死喰い人が、扉にぶつかる音が聞こえた。





「コロ───ぁぁぁぁぁぁぁぁぁう……」





悲鳴に振り返る。ルーナの体が宙を舞う。
間に合わなかったのだ。五人の死喰い人が侵入した。

宙を舞ったルーナの体は大きな音を立てて机に当たり、その勢いで滑って床に落下し、見えなくなった。
以降立ち上がらない。気を失ったのだ。





「ポッターを捕まえろ!」





ベラトリックスの言葉に倣い、死喰い人達はハリーを標的に見据える。
名前は死喰い人へ失神呪文を唱えるが、弾かれるか、狙いが定まらずてんで別の所へ放ってしまう。
相手が複数の上に動き回るから当たりにくいのだ。
その間にもハリーは何とか身を躱して、部屋の反対側へ疾走している。

そこへロンがふらつきながら立ち上がった。
ニヤニヤ笑いを浮かべ、ハリーの方に千鳥足で近付いて行く。





「おい!
おい、ハリー、ここは脳みそがあるぜ。ハハハ。気味が悪いな、ハリー?」



「ロン、どくんだ伏せろ───」



「ほんとだぜ、ハリー、こいつら脳みそだ───ほら───『アクシオ! 脳みそよ、来い!』」





死喰い人達の視線が一点に集中した。
ハリーも、ジニーも、ネビルも。
皆が皆、脳味噌の漂う水槽の上を見詰めていた。
端から見ればちょっと間抜けな光景だったかもしれない。

名前だけが状況を確認していた。
けれど手が出せなかったのは、ロンの方へ浮遊した脳味噌が近寄っていくにつれ、脳味噌からリボンのようなものが何本も、ロン目掛けて飛んできたからである。





「ハハハ、ハリー、見ろよ───
ハリー、来て触ってみろよ。きっと気味が───」



「ロン、やめろ!」





それが何なのかは分からないが、神秘部にあるものだ。
赤ん坊頭の死喰い人のように悪い事が起きるかもしれない。
触らぬ神に祟りなし───。
触れていいはずがない。

ハリーはロンの方へと走った。
けれど既にロンは自ら両手を伸ばし、脳味噌を手の中へ収めていた。





「ハリー、どうなるか見て───あっ───あっ───いやだよ───ダメ、やめろ───やめろったら───」





ロンに触れたとたん脳味噌は、何本ものリボンをロンの腕に締め付けるように絡ませた。
それは徐々に進行し、胸へ、首へ、どんどん範囲を広げていく。
いくら様子がおかしいロンですら、この事態には抵抗を始めた。
引っ張ったり、引き千切ろうともがいたが、リボンはタコの吸盤のようにしっかりとロンにくっついている。





「ディフィンド!裂けよ!」





ハリーがリボンを断ち切ろうと唱えた。
切れない。何の変化もない。
ロンは喉元に絡まるリボンを引っ掻きながら倒れた。





「ハリー、ロンが窒息しちゃうわ!」





座り込むジニーが叫んだ。
瞬間、我に返った死喰い人が呪文を放つ。
杖先から赤色の閃光が放たれ、ジニーの顔に命中した。
ジニーは横向きに倒れて気を失った。





「ステュービフィ!
ステュービフィ!ステュービフィ!」





皆が我に返り、途端に緊張の糸が再び張り詰めた。
死喰い人がネビルに襲いかかったのだ。
ネビルはハーマイオニーの杖を振った。
正しい持ち手でないからか、正しい発音が出来無いせいか、しかし何も起こらず、死喰い人はこれ幸いと「失神呪文」を放った。
呪文は僅かにネビルを逸れた。
更に二人の死喰い人が銀色の光線を放つ。
逸れはしたが、名前達の背後の壁が抉れた。

そこへ焦れたようにベラトリックスがハリーへ襲いかかる。
何とか身を躱したハリーは走り出した。
予言の球を頭上に掲げ、再び部屋の反対側へと駆けて行ったのだ。
当然死喰い人はハリーを追い掛ける。
それでも無防備な背中に呪文を放たないのは、予言の球が傷付く事を恐れてだろう。
ハリーは開いていた扉へ飛び込み、少し遅れて死喰い人達も同じ扉を潜った。





「ロンだぢをおねがい!」





そう言い放ちネビルは駆け出した。
ハーマイオニーの杖を握り締め、名前の答えも聞かずに。

名前はその場で立ち竦んだ。
ネビルの足音が遠ざかり、背中がどんどん小さくなっていく。
やがて沈黙が辺りを包んだ。
いや、ロンがもがく音は聞こえる。





『ロン、動かないで。』





名前は杖先をロンの手元へ向ける。狙いは蠢く脳味噌だ。
しかしロンはそれどころではない。首に絡まるリボンをどうにかしようと必死だ。
動かないでいる事は出来無いし、そもそも名前の言葉が聞こえているかどうかすら怪しい。
けれど時間がない。名前は脳味噌へ向けて失神呪文を放った。
人と同じく有効であれと願って。

そして願い叶って失神呪文を受けた脳味噌は、リボン状のものをくったりさせ、力なく床にへたり落ちた。
窒息を免れたロンが床の上で丸まって咳き込み、名前はその背中を撫でる。





『ロン、大丈夫。』



「なんとか……。」





咳き込みながらそう答えた。

名前は床の上にでろんと広がる脳味噌に杖先を向けて、それを浮遊させると、他の脳味噌たゆたう水槽へと戻した。

それからハリーと死喰い人、ネビルが飛び込んで行った扉を見る。





『俺はハリー達の援護に行く。
ロン、他の皆を頼む。』





そう言って名前は立ち上がり、扉へ向かって走った。
机と椅子の間を縫うように駆けていく。
いつ呪文を放たれても対抗出来るよう、杖先だけは真っ直ぐ前を向けて、大急ぎで扉を潜った。





『……。』





扉を潜ればそこは、まさしく戦場だった。
石のアーチが建っている足場の悪い部屋で、足を止めないようにして、複数の人々が戦っている。
呪文合戦で弾かれたり逸れた呪文が壁や床を抉り、埃や粉々になった建築資材のせいで視界が煙っていた。
この煙い視界のせいで分かり辛いが、シリウスとルーピン、ムーディ……ハリーネビルを差し引いても、五人が死喰い人と戦っている。

飛んでくる緑色や赤色の光線を避けながら名前は、台座の方へと石段を駆け下りる。
するとどうだ。よく見ると、石段を上ろうとするハリーとネビルの姿を見付けた。
ハリーがネビルを支えている。ネビルは何かしら呪文に当たったようだ。
兎に角、名前はそちらへ向かった。

その時ちょうどネビルと目が合った。
いや、名前を見ているわけじゃなさそうだ。
恍惚状態の表情で、口をパクパク動かしている。
背後に何があるか名前が振り返るより先に、誰かが肩をポンと叩いた。
そしてその人物は石段を駆け下りていく。





『ダンブルドア校長先生。』





思わず口走った呼び掛けに、ダンブルドアは振り返らなかった。
怒っている───そう肌で感じた。
ダンブルドアは石段を駆け下りて、ハリーとネビルの横を通り過ぎて行った。

名前は黙ってハリーとネビルの側へ近付いた。
ネビルは踊り魔法を掛けられているようで、両足が忙しなく床を踏んでいるし、ハリーは土埃で全身汚れていたが、二人とも安堵した表情で成り行きを見守っている。

ダンブルドアの存在は瞬く間に死喰い人の間で広まった。
一人の死喰い人が逃げ出し、ダンブルドアがいともたやすく引き戻す。
まるで蜘蛛の子を散らすようだ。死喰い人の誰もが杖を下ろし逃げ惑う。
それなのにダンブルドアの存在に気が付かない者がいた。
シリウスとベラトリックスの二人である。
シリウスは笑っていた。戦いを楽しむように。





「さあ、来い。今度はもう少しうまくやってくれ!」





ベラトリックスの呪文を避け、そうシリウスが叫んだ。
ベラトリックスは二発目の呪文を放つべく杖を振るう。

突然名前は二人に向かって駆け出した。
体勢を低くし、体を丸めて、踏み込み、思い切り地面を蹴り出し、バネのように飛び出したのだ。

シリウスの体に飛び付きながら、名前は杖を振るう。
ベラトリックスが既に二発目の呪文を放っていた。

名前の呪文は数十センチまで迫り来るベラトリックスの呪文に当たり、ベラトリックスの呪文は軌道を変えて天井へ向かっていった。
名前はもう一度呪文を唱えようとしたが、足場が無く体勢を崩す。
殆ど体当たりだったので、シリウスを巻き込み、二人はこんがらがって球体の足場から転がり落ちた。

大急ぎで体を起こす。驚いた表情のシリウスを押し倒していた。
名前が謝る間もなく、その顔にふっと影が落ちてくる。

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