17.-1


名前とハーマイオニーが恋バナに花を咲かせていた時と同時刻。
玄関ホールではアンブリッジによるトレローニーの解雇が行われ、その騒ぎに夕食中の生徒が大勢駆け付け、てんやわんやだった。

生徒が来てもお構い無しに解雇演説を続けたのだ。
大衆の面前で行われたそれは最早公開処刑である。
後にハリーとロンから事の顛末を聞いて、驚くのも束の間。
その時は二人揃ってどこで何をしていたのかと問われ、名前とハーマイオニーはつい顔を見合わせたのだった。















「『占い学』をやめなきゃ良かったって、今、きっとそう思ってるでしょう?ハーマイオニー?」





パーバティは嬉しそうに言いながら、杖の先を睫毛に当てて入念にカールさせている。
その隣ではラベンダーが髪を整えていた。

アンブリッジによるトレローニー解雇後、突如として現場に現れたダンブルドアの口から先手を打つように、直後後任が発表されたのだ。
そしてその後任初めて「占い学」が、今日の午前中に行われる。
の二日後の朝食のときだった。
午前中にフィレンツェの最初の授業があることになっていた。





「そうでもないわ。
元々馬はあんまり好きじゃないの。」



「あの人は馬じゃないわ。ケンタウルスよ!」



「目の覚めるようなケンタウルスだわ……。」





髪を整える手を止めてでも修正するラベンダーに、ほうと息を吐いてうっとりするパーバティ。
対象にハーマイオニーは興味が全く無いようで、二人の方へ見向きもせずに「日刊予言者」に齧り付いている。

そう、後任はケンタウルスのフィレンツェだ。
ハリーからフィレンツェの話は耳にしていたし、この出会いが初めてではないとも聞いた。
かつて一年生の時に罰則で「禁じられた森」に入った際、ハリーと名前は揃ってフィレンツェに出会っていたのである。
しかし残念ながらその時、名前の意識は消失していた。





「どっちにしろ、脚は四本あるわ。
ところで、あなた達二人は、トレローニーがいなくなってがっかりしてると思ったけど?」



「してるわよ!」
ラベンダーは心外とばかりに叫んだ。
「私達、先生の部屋を訪ねたの。ラッパ水仙を持ってね。
スプラウト先生が育てているラッパを吹き鳴らすやつじゃなくて、きれいな水仙をよ。」



「先生、どうしてる?」
ハリーがそう聞くと、ラベンダーの眉が八の字になる。



「お可哀想に、あまり良くないわ。
泣きながら、アンブリッジがいるこの城にいるより、むしろ永久に去ってしまいたいって仰るの。無理もないわ。アンブリッジが、先生に酷い事をしたんですもの。」



「あの程度の酷さはまだ序の口だという感じがするわ。」
新聞に目を通しながらハーマイオニーは顔を顰めた。



「有り得ないよ。
あの女、これ以上悪くなりようが無いだろ。」
話しながらもロンは他人事のように大盛りの卵とベーコンを頬張っている。



「まあ、見てらっしゃい。ダンブルドアが相談も無しに新しい先生を任命した事で、あの人、仕返しに出るわ。
しかも任命したのがまたしても半人間。フィレンツェを見た時の、あの人の顔、見たでしょう?」





新聞を畳みながらハーマイオニーは、向かい側の席に座るハリーとロンに目を遣る。
先述した通り名前とハーマイオニーはその場に居合わせていない為、ハリーとロンの話から事の顛末を聞いただけで、現場に出会した一人一人の表情や場の雰囲気は把握しかねるのだ。

どんなに悲惨な光景だったか、想像する事しか出来ない。
ハリーは神妙な顔付きで頷き返したが、ロンはソーセージをまるまる頬張るのに夢中だった。

朝食を済ませた後は授業だ。
いつも通りハーマイオニーは「数占い」へ、一足先に大広間から出たパーバティとラベンダーに続き、名前達三人も「占い学」へ向かう。
先を行くパーバティとラベンダーの足取りは、心無しか浮足立って見えた。





「北塔に行くんじゃないのか?」





前を歩く二人が階段を通り過ぎたので、ロンは疑問に思ったのだろう。殆ど反射的にそう尋ねた。

浮足立った歩みを止めて、パーバティが振り向く。
般若の顔だった。




「フィレンツェがあの梯子階段を昇れると思うの?十一番教室になったのよ。昨日、掲示板に貼ってあったわ。」





おまけにいっそ怒鳴り散らしてくれと思うぐらいに刺々しく冷ややかな声音だった。
その声の対象でないにも関わらず、名前とハリーは一歩後退りそっと身を寄せ合う。

チラリ。パーバティはロンから目を逸らして名前を見た。ニッコリ可愛らしく微笑む。
それから再びロンを睨み付け、クルリと前に向き直ると、また浮足立って歩き始めた。
その一瞬の場面を目撃したハリーはますます恐ろしくなったように名前に寄り添う。

「何も怒らずともいいじゃないか」とでも思ったのだろう。ロンは眉を寄せて不貞腐れつつも、しかし恐れをなしたらしい。
一歩後退ると、名前とハリーにくっついて歩いた。

女子二人とほんの少し距離を置き、名前達は石畳の廊下を進む。
大広間の反対方向に沿って暫く歩くと、十一番教室が見えてくる。
ドアを開くとそこには森が広がっていた。





「これは一体?」





その場に立ち竦んでハリーは呟く。
背後から肩越しに顔を覗き込んで、どうやらそれは独り言のようだと理解すると、名前はハリーの隣をすり抜け、教室へ足を踏み入れた。

苔むした床は上質な絨毯のように柔らかく、ゆったりと名前の足を受け入れる。
グルリと顔だけを後ろに向けて、名前は口を開いた。





『ハリー、行かないの。』



「あ、うん。行くよ。」





ハリーは名前の隣を歩きながら、キョロキョロと頻りに辺りを見回す。
見回すのも当然の変わりようだ。元の教室が思い出せなくなる程のビフォー・アフター振りである。
けれど名前は相変わらず泰然自若を発揮して、小石の転がる床を見付けては、ハリーに注意を促していた。

年輪の刻み込まれた大きな木々が、教室を包むように枝を張らせ、そこら中に青々と葉が繁っている。
その様と言ったら壁も天井も見えない程だ。
思わず屋外にいるように錯覚させるが、窓から差し込む日光が、かろうじて此処が教室だと思い出させてくれる。

そしておそらく教室の中央であろう場所には、銀白色の髪を持つケンタウルスが悠然と立っており、じっと此方を見詰めていた。
ハリーと名前は顔を見合わせる。
何と無く呼ばれたように感じて、二人はケンタウルスの方へ歩みを進めた。





「ハリー・ポッター。」



「あ……やあ。」





先に手を差し出したのはケンタウルスの方だった。
ハリーはまだ辺りの変貌に目を奪われつつも、目の前のケンタウルスと握手する。





「あ……また会えて嬉しいです。」



「こちらこそ。」
小さくお辞儀をする。
「また会う事は、予言されていました。ハリー・ポッター───そして、ナマエ・ミョウジ。」





てっきり自分には用が無いものだと思っていたらしい名前は、この小さな森のどこに腰を落ち着けようかと座る場所を探していた為、突然名前が呼ばれた事に多少驚いたようだった。
第三者には分からない程の微かな肩の跳ね方だったが、それでも名前はちょっと恥ずかしそうにケンタウルスへ向き直る。

ケンタウルスは名前へ手を差し出していた。
名前はその手を握る。
皮の厚い、硬い掌だ。
その掌を辿り、腕、肩、そうして名前の視線は、ケンタウルスの体へ移る。
引き締まった上半身はよく見ると、あちこちうっすらと馬蹄形の痣が確認出来た。

名前の視線は首から顔へと向けられる。
真っ青に透き通った瞳がじっと此方を見詰めていた。
気後れしてしまいそうな程の眼力だ。





「しっかりと顔を会わせるのは初めてですね。」



『はい。ええと、……
以前はお世話になりました。』



「気にする必要はありません。」



『それでもお礼を言わせてください。有難うございました。フィレンツェ先生、
今日からよろしくお願いします。』



「こちらこそ、ナマエ・ミョウジ。」




ところがどっこい。負けず劣らず瞬きもせずに、名前もじっとフィレンツェを見詰めている。
一体いつまでやるつもりなのか握手を交わしたままだ。
何だか時間がかかりそうな雰囲気が漂っているし、名前を置いて先にロンの所へ行ってしまおうと、ハリーは辺りを見回した。

これといった席が無いので、先に来ていた他の生徒達は皆、思い思いの場所に腰を下ろしている。
その生徒達の視線が全てハリーに向けられていた。
ぎょっとする光景だがハリーは、驚きよりも先に既視感を覚えた。

これは尊敬の眼差しだ。





「(覚えのある感覚だ。)」





どうやら皆はフィレンツェが怖いらしい。
だからハリーがいとも簡単に言葉を交わす事が、彼らにとってはとても凄い事だと思うようだ。

そこではたと思い出す。
───ナマエだ。
一年生の時───入学式の夜。

不安と緊張で身を寄せ合う新入生の集団の中、猫背にも関わらず飛び抜けた名前の長身は目立っていた。
新入生の間でも注目の的だったが、在校生の目も引いていた事だろう。
けれど無表情は友好的に見えなかったから、名前に誰も声を掛けなかったし、名前も誰にも声を掛けなかった。
名前には話していないけれど、ロンは「きっとあいつはスリザリンだ」なんて言って、ハリーを止めたくらいだ。

だからハリーが名前に声を掛けたのは組分けの後である。
一人ぼっちだった事が哀れに感じたのか、それとも単純に好奇心だったかもしれない。兎に角名前という人物がすごく気になっていたのだ。
皆はその時、そんなハリーを尊敬するように眺めていた。





「ナマエ、座ろう。授業が始まっちゃうよ。」



『ああ、うん。
フィレンツェ先生、どこに座っても構いませんか。』



「自由です。お好きな所へ座ってください。」





昔を思い出して、どこか思う所があったらしい。
ハリーは今日一番優しい声を出して、名前と一緒にロンの元へ向かった。
そんなハリーの変化を不思議がった名前は、だが首を傾げただけで特に理由を尋ねはしない。
腕時計を見るとハリーが言った通り、確かに授業が始まりそうだったからだ。
まあ授業が終わったからと言って、この疑問を覚えているかは定かではない。

いくつもある中の一本の大木を背にして、名前達三人は鞄を下ろし、思い思いに座った。
床を覆う青々とした苔は不思議と湿っぽく無くて、本当に高級な絨毯のようだ。





「ダンブルドア先生のご厚意で、この教室が準備されました。」





一番最後であろう生徒が入ってきた扉を閉めて、切株に座ったところで、フィレンツェはゆっくりと口火を切った。





「私の棲息地に似せてあります。出来れば禁じられた森で授業をしたかったのです。そこが、この月曜日までは、私の棲いでした……
しかし、最早それは叶いません。」



「あの、」





震える声でそう言いながら、パーバティは遠慮がちに手を挙げた。





「えーと、先生、どうしてですか? 私達、ハグリッドと一緒にあの森に入った事があります。怖くありません!」



「君達の勇気が問題なのではありません。
私の立場の問題です。私は最早あの森に戻る事が出来ません。群れから追放されたのです。」



「群れ?
なんです……」





困惑した声を出したのはラベンダーだ。
眉根を寄せてフィレンツェを見詰め、少し考えて彼女なりの答えに行き着いたらしい、曇った表情がパッと明るくなる。




「あっ!───先生の仲間がもっといるのですね?」



「ハグリッドが繁殖させたのですか? セストラルみたいに?」





ラベンダーに引き続き矢継ぎ早に尋ねたのはディーンだ。フィレンツェ───と言うよりも、ケンタウルスという種族に興味があるらしい。

しかしそれを聞いたフィレンツェの反応は良いものではなかった。
錆びた機械のようにゆっくりと顔を向けて、ただじっとディーンの顔を見詰めたのだ。
真っ青な瞳で瞬きもせずに、無表情なまま。





「そんなつもりでは、つまり、すみません。」





どうもその類の言葉は禁句のようだ。そう気が付けたのは、フィレンツェの意味深な視線と沈黙にある。
言葉尻を窄めながらも、ディーンはしっかり謝罪の言葉を口にした。





「ケンタウルスはヒト族の召し使いでも、慰み者でもない。」





謝罪の言葉を聞いてフィレンツェは、落ち着いた様子で静かにそう言った。

そう言った後、暫く教室内は静まり返る。
窓から入るそよ風。床の苔を照らす木漏れ日。
とても穏やかな場所に不釣り合いな、いやに緊張感漂う沈黙だった。

少ししてフィレンツェの目線が移動する。
ピンと手を挙げたパーバティに向けられたのだ。





「あの、先生……どうして他のケンタウルスが先生を追放したのですか?」



「それは、私がダンブルドアの為に働くのを承知したからです。
仲間は、これが我々の種族を裏切るものだと見ています。」





この口振りからすると、どうやら人とケンタウルスの間には大きな溝があるようだ。
ならば四年前、フィレンツェがハリーと名前を運んだ時は、大層仲間内に怒られたのではないだろうか。
(まあ、「怒られた」で済めば良いのだろうが。)

今回のフィレンツェの行動により、ついにケンタウルス達は我慢の限界を迎えたのか、フィレンツェの体はうっすらとではあるが、馬蹄形の痣が数か所ある。
一人か、複数か、分からないが、明らかに争った形跡だ。
もしかしたら殺されていた───なんて事もあったかもしれない。





「では始めよう。」





何事も無かったかのように授業は再開された。
緊張した空気を振り払う如く、フィレンツェは自身の長い尻尾をひと振りする。
それから頭上に向けて手を伸ばし、伸ばした手をゆったりと下ろした。

それを合図に教室内の明かりは小さくなっていく。
昼間の明るさを携えていた天井は、夕焼けの赤色から藍色へと変化し、やがて彼方此方に星が光り始めた。
まるでプラネタリウムだ。

この変化にはにわかに辺りがざわついた。
傍らにいたロンは小声で「おっどろきー!」と言ったし、ロン以外の生徒も、感嘆の声や溜息をもらしている。





「床に仰向けに寝転んで。
天空を観察してください。見る目を持った者にとっては、我々の種族の運命がここに書かれているのです。」





言われた通りおもむろに、生徒達は寝転び始めたらしい。
薄暗い教室内に座っていた人影が、ガサゴソと音を立てながら倒れていく。

隣のハリーが横になって伸びをするのを見て、名前もようやく寝そべった。
足元に他の生徒がいる為か、長い足は曲げたままだ。

天井を見詰める。
点々と光る星の中で、赤い星が殊更目立って輝いている。






「皆さんは、『天文学』で惑星やその衛星の名前を勉強しましたね。
そして、天空を巡る星の運行図を作りましたね。ケンタウルスは、何世紀もかけて、こうした天体の動きの神秘を解き明かしてきました。その結果、天空に未来が顔を覗かせる可能性がある事を知ったのです。」



「トレローニー先生は占星術を教えてくださったわ!」





薄暗い教室内に興奮気味の声が響いた。
この声はパーバティだろう。





「火星は事故とか、火傷とか、そういうものを引き起こし、その星が、土星とちょうど今みたいな角度を作っている時───
それは、熱いものを扱う場合、特に注意が必要だという事を意味するの。」



「それはヒトのバカげた考えです。」





フィレンツェはサラリとそう言った。
パーバティは絶句したようだった。





「些細な怪我や人間界の事故など、そうしたものは、広大な宇宙にとって、忙しく這い回る蟻ほどの意味しかなく、惑星の動きに影響されるようなものではありません。」



「トレローニー先生は───」
パーバティの声は怒りか悲しみか、分からないが震えていた。



「ヒトです。
だからこそ、皆さんの種族の限界のせいで、視野が狭く、束縛されているのです。」





パーバティはそれ以上何も言わなかった。
名前は少し顔を捩ってパーバティの方を見てみたが、薄暗くて見えるはずもなかった。
見えるのは精々ハリーの横顔くらいだ。





「シビル・トレローニーは『予見』した事があるかもしれません。私には分かりませんが」





話しながらフィレンツェは、生徒の周囲をゆっくりと歩く。
名前の頭上にフィレンツェがやって来たとき、一瞬、青い瞳と目が合ったように思えた。





「しかしあの方は、ヒトが予言と呼んでいる、自己満足の戯言に、大方の時間を浪費している。私は、個人的なものや偏見を離れた、ケンタウルスの叡智を説明する為にここにいるのです。
我々が空を眺めるのは、そこに時折記されている、邪悪なものや変化の大きな潮流を見る為です。我々が今見ているものが何であるかがはっきりするまでに、十年もの歳月を要する事があります。」





ちょうど名前の頭上辺りで立ち止まったフィレンツェは、天井へと手を伸ばした。
どうやら指を差しているらしい。
影の動きを頼りに辿ると、そこにはあの目立つ赤い星が瞬いていた。





「この十年間、魔法界が、二つの戦争の合間の、ほんの僅かな静けさを生きているに過ぎないと印されていました。戦いをもたらす火星が、我々の頭上に明るく輝いているのは、間も無く再び戦いが起こるであろう事を示唆しています。
どのくらい差し迫っているかを、ケンタウルスはある種の薬草や木の葉を燃やし、その炎や煙を読む事で占おうとします……。」





それから本格的に授業が行われた。
教室の床の上でセージやゼニアオイを燃やし、煙の中からある種の形や徴を探すという内容だ。

フィレンツェが禁じられた森に教室を似せたように、占いを行うシチュエーションも似せたいのだろう、光源と呼べるものは星の明かりと葉を燃やす小さな火だけ。煙の形はおろか、煙もまともに見えない。
しかも葉を燃やした匂いは頭をクラクラさせて、とても集中出来る気がしない。

誰もが苦難の末、結果言われたような徴は見付けられなかったが、フィレンツェは責める事もアドバイスもしなかった。
ただ行われたのは説明で。
ヒトは「読み取る」事が不得意だし、そもそもケンタウルスでさえ読み取れるようになるまで長い年月を費やすと言う。
更には、何だかんだ言ったが占いを信じ過ぎるのは愚かだ、能力に長けたケンタウルスですら読み違えるのだから、と言って授業を終えた。





「フィレンツェは何にも具体的じゃないね?」





隣でゼニアオイの火を消しながら、ロンは小さい声でそう言った。
ロンが言う通り、フィレンツェは自分の知識を教えるというよりも、ケンタウルスの知識でさえ確実ではないと印象づけようとしているようだった。





「だってさ、これから起ころうとしている戦いについて、もう少し詳しい事が知りたいよな?」





終業ベルが鳴った。すぐ近くで鳴ったものだから、驚いて皆が飛び上がった。
そんな中名前だけが、控えめにアクビをしていた。

葉っぱの匂いやられたのか、はたまた授業の雰囲気ににあてられたのか、生徒達は口数も少なくフラフラと、教室のドアへ向かっていく。

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