凍った心 | ナノ



02



変わらないことが


まだあるはず……




変化しない




「蓮二」

「……精市か」

「君もかい?」




君もということは、おそらく彼女のことを言っているのだろう。

だがあえて気づかないふりをする。

あいつだけは……雅だけは、これ以上俺に関わせる訳にははいかない。




「何か用か?」

「……相変わらずだね。そんなに俺達は頼りないかい?」

「いや……お前達がいてくれたおかげで被害は少ない」

「……被害……ねぇ」

「本来ならテニス部にもいるべきじゃないんだ。俺は……」

「蓮二。いい加減にしときなよ?それ以上言うならいくら俺でも許さないよ?」

「……すまない」

「蓮二。俺達以外に話そうとは思わないのかい?」




俺達以外……。

それは紛れもなく雅に話さないのか?

と言っているようなものだ。話せる訳がない。

俺があいつを傷つけたことには、変わりないんだ。




「…勘違いしてるよ?」




それは、俺がか?

それともあいつがか?

ふっ。立海テニス部の参謀と言われているが、たいしたこともない。俺が本当に知りたいデータは俺の手にはないのだからな。

参謀が聞いてあきれる。




「何にも勘違いしていないさ。今も昔もな……」




勘違いしていたいと思うぐらいだがな。
しかしここまできたらもう取り返しがつかない。

これが柳蓮二だと人に思われても仕方ないだろう。




「蓮二は、後悔しないのかい?」

「今更後悔する訳がないだろう?」

「………不器用すぎるよ。君たちは」




不器用?

違う。俺には、この方法しかないだけだ。

昔の約束を守るためには……。




(「楽になればいいのに……。見てるこっちが痛いよ」「……すまない」「もう口先だけの謝罪はいらないよ」)



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