▼ 1 一度じゃたりない。 お前を 感じるのは……。 もう一度キス 『ブンちゃん!』 「おぉ紗智!いつものサボりの時間かぁ?」 『ブンちゃんはいつものじゃなくて……いつもサボりだけどね』 「うるせー」 ふふふっと笑いながら、俺の隣に座る紗智に俺の胸は高まる。 『んっ?どうしたの?ぼーっとして』 「いや……」 彼女にドキドキして目が離せないなんてかっこ悪すぎだろぃ? 『……でもブンちゃんテスト大丈夫?』 「へっ?」 眺めていたことで、紗智との会話など耳に入ってなく、まぬけな返事が響く。 『まったく!ブンちゃんのばかぁ』 「なっなんだよぃ」 『話し聞いてくれてないくせに、何だ?じゃないよ!』 頬を膨らませムッとしている表情でも俺は可愛いと思う。よく子供のことを自慢したり、可愛いと褒める親バカの気持ちが分かる。俺は絶対紗智バカだな。 紗智の腕を軽く引っ張れば、予想外の方向からの力のせいかブン太の膝の上にチョコンと座る形となる。 『うわっ!ブンちゃんいきなり引っ張るなんて卑怯!』 「卑怯って言葉で紗智が手に入るなら何回でも言われてやるぜ?」 紗智は、俯き何も聞かなかったとでも言うように首を振り耳を塞ぐ。 「オイ!紗智?」 首を振り続ける紗智にフッと笑うと後ろから抱きしめ首筋にチュッとキスを落とす。 『にゃに?…ブンちゃん』 ピクリと肩を震わせ目線を合わせてくる紗智。頬に手をそえ、優しく撫でながら顎をスッと持ち上げる。 「いい?」 『ダメだよ。誰か来たら……』 「大丈夫だろぃ?今授業してんだから、俺達と同じサボりじゃねぇかぎりは誰も来ないと思うぜぃ?」 ブン太の言葉に一度ドアを見て、戸惑いがちにそっと目をつぶる。 「紗智」 そっと触れるだけのキスを落とす。 「たりねぇ」 『えっ?』 疑問の声をあげようとした瞬間再び唇が降ってくる。深い甘いキスが…。 そう一度じゃ足りない。私も貴方をいつも感じていたいから……。 エネルギー補充は、君とのキスで (「よしっ!次もサボるぜ!」『はい。教室帰るよー』首を掴まれて渋々教室にもどった。やっぱり俺の彼女は最強だ。) . prev|main|next |