お題 | ナノ
貴方と私は永遠に

私の想いは

貴方に

届いていますか?




貴方と私は永遠に



私の彼氏のディーノは、ツナ達との知り合い。職業はマフィアのボス。部下がいてこそ力を発揮するボスだ。それに比べて、私はツナの近所の姉的存在(本人には妹でもいけると言われた)で、普通の女子高生。だから私に出来ることなんていつも笑顔でディーノに会うことだけ……心配して不安になってもディーノが笑顔でいることが1番大切だから……。




「なぁ紗智」




今は久しぶりに日本にいるディーノとデート中だ。




『深刻な顔してどうしたの?もしかして別れ話?』

「違うって!別れ話じゃねぇって」




ディーノに気付かれないようにほっと息をつく。いつ振られてもおかしくはない、いつも不安でたまらない。でもそれを見せたら、きっとディーノは……。




「紗智?」

『あっごめん!でっ何?』

「いや……やっぱ何でもねぇ!」




ニカッと笑ったディーノにつられてクスッと笑う。しかしこのときディーノが無理に笑っていたことなんて気付けなかった。
その日のデートを終え別れた後俺はほっとした。
俺の不安を口にしてしまえば、紗智との関係が今までとは違ってきてしまうように感じたから、あのときどうしても言えなかったんだ。




「こんなんじゃダメだよな」




二人の好きという気持ちは同じ。しかしすれ違いが起こるのは自分をさらけだしていないから?
お互いに相手を想っているはずなのに、重荷になって二人の中を苦しめる。




『ダメ!今のままじゃ…』




家に帰っても不安は消えない。今のままでは、彼女としてディーノを支えているとは言えないんじゃないか?そんな想いがいつまでも心から消えることはなかった。突然ブッブッとバイブの音がなり、画面に映し出された名前に不安が過る。




『もしもし?』

「紗智?こんな時間に悪ぃな。もしかして寝てたか?」

『大丈夫!起きてたよ!それよりどうしたの?』




元気な声で答えるが、ディーノの深刻な声に胸が締め付けられるように苦しく感じた。




「俺……」

『好きな人でも出来た?』




思ってないことが口から出ていく。嫌われたくない。自分が自惚れているだけだったら……?




「紗智はそういうことしか考えてねぇよな」

『えっ?』

「紗智の方こそ好きなやつが出来たんじゃねぇのか?俺といても楽しそうじゃねぇしよ」

『……どうして?』

「んっ?」

『…どうしてそんなこと言うの?』




私はディーノが好きなだけなのに!!しかしその一言は出てきてくれなかった。




「俺ばっかいつも空回りしてるじゃねぇか……疲れたんだよ」

『疲れた?』

「あぁ。だから距離をおこうぜ?」

『……嫌ならフッていいんだよ?』




声が震えないように必死で我慢した。




「別れたくはねぇんだ。ただ気持ちの整理をしたいだけだからよ………離れて考えようぜ。これからのことをよ」

『分かった!……じゃあもう切るね!おやすみディーノ』

「オ……っ」




私は、ディーノの返答なんて聞かずに切った。

好きなんだぜ?俺はいつも紗智を見てるから知ってる。紗智がいつも不安げな目で俺を見てることを……ただ信じて欲しかったんだ。俺を……。




今のままでは

私と貴方は永遠に

心のすれ違い



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