▼ 貴方と私は永遠に 私の想いは 貴方に 届いていますか? 貴方と私は永遠に 私の彼氏のディーノは、ツナ達との知り合い。職業はマフィアのボス。部下がいてこそ力を発揮するボスだ。それに比べて、私はツナの近所の姉的存在(本人には妹でもいけると言われた)で、普通の女子高生。だから私に出来ることなんていつも笑顔でディーノに会うことだけ……心配して不安になってもディーノが笑顔でいることが1番大切だから……。 「なぁ紗智」 今は久しぶりに日本にいるディーノとデート中だ。 『深刻な顔してどうしたの?もしかして別れ話?』 「違うって!別れ話じゃねぇって」 ディーノに気付かれないようにほっと息をつく。いつ振られてもおかしくはない、いつも不安でたまらない。でもそれを見せたら、きっとディーノは……。 「紗智?」 『あっごめん!でっ何?』 「いや……やっぱ何でもねぇ!」 ニカッと笑ったディーノにつられてクスッと笑う。しかしこのときディーノが無理に笑っていたことなんて気付けなかった。 その日のデートを終え別れた後俺はほっとした。 俺の不安を口にしてしまえば、紗智との関係が今までとは違ってきてしまうように感じたから、あのときどうしても言えなかったんだ。 「こんなんじゃダメだよな」 二人の好きという気持ちは同じ。しかしすれ違いが起こるのは自分をさらけだしていないから? お互いに相手を想っているはずなのに、重荷になって二人の中を苦しめる。 『ダメ!今のままじゃ…』 家に帰っても不安は消えない。今のままでは、彼女としてディーノを支えているとは言えないんじゃないか?そんな想いがいつまでも心から消えることはなかった。突然ブッブッとバイブの音がなり、画面に映し出された名前に不安が過る。 『もしもし?』 「紗智?こんな時間に悪ぃな。もしかして寝てたか?」 『大丈夫!起きてたよ!それよりどうしたの?』 元気な声で答えるが、ディーノの深刻な声に胸が締め付けられるように苦しく感じた。 「俺……」 『好きな人でも出来た?』 思ってないことが口から出ていく。嫌われたくない。自分が自惚れているだけだったら……? 「紗智はそういうことしか考えてねぇよな」 『えっ?』 「紗智の方こそ好きなやつが出来たんじゃねぇのか?俺といても楽しそうじゃねぇしよ」 『……どうして?』 「んっ?」 『…どうしてそんなこと言うの?』 私はディーノが好きなだけなのに!!しかしその一言は出てきてくれなかった。 「俺ばっかいつも空回りしてるじゃねぇか……疲れたんだよ」 『疲れた?』 「あぁ。だから距離をおこうぜ?」 『……嫌ならフッていいんだよ?』 声が震えないように必死で我慢した。 「別れたくはねぇんだ。ただ気持ちの整理をしたいだけだからよ………離れて考えようぜ。これからのことをよ」 『分かった!……じゃあもう切るね!おやすみディーノ』 「オ……っ」 私は、ディーノの返答なんて聞かずに切った。 好きなんだぜ?俺はいつも紗智を見てるから知ってる。紗智がいつも不安げな目で俺を見てることを……ただ信じて欲しかったんだ。俺を……。 今のままでは 私と貴方は永遠に 心のすれ違い . prev|main|next |