お題 | ナノ




一日って長いようで

短い

貴方と一緒だから。




幸せな一日




赤也から受け取ったものを開くと、特別無料招待券が入っていた。




「赤也の奴!最初から狙ってやがったな」




ブンちゃんの言葉に首を傾げながら、紙を覗きこむが、ふと顔をあげ近くの建物を指差す。




「どうしたんだよぃ?」

『あのビルがこの紙に書いてるホテルみたい』




豪華そうなビルに何度も見比べるが、間違いはなく、ケーキバイキングをしているホテルのようだった。




『ブンちゃん……行かない?』




せっかく貰ったし…とブンちゃんを眺める。考えるようにビルと紙に目を向けるとブンちゃんはニッと笑った。




「行こうぜぃ」




紗智の手を取りホテルに向かって歩きだす。もちろん昼ご飯のハンバーグとステーキは二人で食べた。デザートは別腹。




「なぁ紗智」

『んっ?』




言葉は続かずそのままホテルへと足が向かう。何の話をすることもなくホテルの玄関に辿り着き、招待券を従業員に渡し、場所まで連れていってもらう。




『高い!きれーっ』




窓の近くまで歩み寄ると、見とれたように窓の外の景色を見つめる紗智に従業員も笑顔で、窓辺に席を作ってくれた。




「よかったな」

『うん!!』




紗智の笑顔に嬉しさが込み上げてくる。あのとき本当は、紗智の笑顔がもう二度と見れないと思ったから…。



ケーキバイキングなので中央からケーキを取っているとブン太のあまりの多さにほかの客が驚愕する。




『いつにもまして量すごいね……』




感心したように呟く紗智に当たり前だろぃ?と返すとクスッと笑い声が聞こえてくる。




「何で笑うんだよぃ!」

『だってまたブンちゃんとこうやって話せたから』

「ホントにわりぃ」

『うん。でもメールがないのは寂しかった。ブンちゃんが私のこと嫌いになったのかもって思ったから』

「紗智」

『でももうそんな想いしなくていいんだよね?』

「あぁ!俺は紗智が好きだ」




突然の告白に顔を真っ赤にする紗智が愛おしい。



これからは一生離さねぇ

どんなことがあっても

今日を忘れねぇ

紗智といられることがシアワセって分かったから…。





オマケ→

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